モップ(重岡さん提供)
モップ(重岡さん提供)

 友人が「こんな子がいるけど、どう?」と写真付きのメールで紹介してくれたのは、ミルクティー色の小さくてふわふわな雄の子。動物病院の前に、段ボールに入れて置かれていたそう。

 夫婦ともに猫と暮らすのは初めてで不安もあったが、その子猫のあまりの可愛らしさに舞い上がり、獣医さんが「もう里親に出しても大丈夫」という2カ月後、晴れてわが家に迎え入れた。

 初日、リビングにおろすと同時にテレビボードの隙間に入り、ようやく出てきたときにはホコリを全身にまとわせていたため、名前は「モップ」(写真、2歳)。

 その後もベッドの下や洗濯機の裏側など、掃除の行き届かない狭い場所を重点的に攻められた。

 猫はよく寝るからネコと聞いたことがあるが、モップはとにかく眠らず、ちょろちょろ動き回る。観葉植物の土はほじくり返し、電気コードにちょっかいを出し、台所のシンクの中に入り込もうとする。

 そこで開かずの部屋を作って観葉植物を避難させ、コンセントカバーを購入、シンクにもカバーをつけた。

 数カ月後には横向きのドアレバーを難なく開け、開かずの部屋を攻略するようになったのですべての部屋のレバーを縦に付け替えた。

 そんなモップもこの5月で3歳になる。強気な性格で、なでても自分の気分が乗らないと噛みつくけれど、朝一番には私のおなかに乗って、モミモミしながら首筋にちゅっちゅっと吸い付いてくる甘えん坊。

 隙間には前ほど執着を示さなくなり、驚くほどよく眠るようになった。今もこの文章を書いているパソコンの画面の裏側で、手足を時々ぴくっと震わせ、気持ちよさそうに眠りの国へ行っている模様。こんな幸せな時間をありがとう、モップ。これからもいろんな表情を見せてね!

(重岡久美子さん 本県/47歳/会社員)

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