「ネコを飼いたい」

 ネコアレルギーの私からの申し出に、両親はびっくり。数年前に2匹のネコをともに22歳でなくしてから、みんなネコを飼いたいと心のどこかで思っていたと思います。

 私に「無用な抱っこは禁止」「部屋には入れない」などの約束をさせて、ネコ探しの始まりです。

 市内の動物病院に、里親募集の申し出がないか片っ端から電話をかけて、5軒目でようやく発見。生後1カ月の子ネコが3匹いるとのこと。さっそく面接の運びとなりました。
 3匹の中でひたすら「ニーニー!」と鳴いていたのがわが家に来た“こむぎ”(写真、雌)です。自己主張がすごく、それが訴えかけているようで、すぐにその子に決めました。去年の8月末の話です。

 こむぎという名前は、麦の花言葉からとりました。「富」とか「財産」を意味するそうです。わが家の財産、宝になるようにとの願いを込めています。

 こうしてネコアレルギーの発作が出ないよう細心の注意を払いながらの生活が始まりました。が、発作は全く出ませんでした。そして、なぜか父がくしゅくしゅして、皆苦笑。
 というわけで、こむぎは今では私の部屋のちぐらで寝ています。朝5時くらいになると家族一人ひとりの部屋を回り、ニャーニャー鳴いて「遊んで~」「ごはんまだ~?」と言って回ります。これには少々困りますが、我先に希望をかなえたがる私たちを見て、こむぎは「しめしめ」とほくそ笑んでいることでしょう。

 今ではすっかりわが家の宝となったこむぎ。持病のある私に寄り添ってくれるこむぎ。こむぎの一挙手一投足に和ませてもらっています。
 これからもよろしくね、こむぎ。

[北畠美穂さん 千葉県/43歳/家事手伝い]

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