第1220回 名にふさわしい威厳ある振る舞い 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1220回 名にふさわしい威厳ある振る舞い

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 ペットを飼っているどなたも、自分のうちの子が一番と思っていらっしゃるのは当然だ。私も同じで、他家のペットを見かけると、いつも優越感を覚える。

 先代のパグは10歳で急死した。可愛がっていただけに、ちょっとしたショックだった。しばらくはもうこんな思いはしたくない気持ちでいたが、やがてまた同じパグを飼うようになった。

 パグは中国の奥地が原産とか。私は蜀の皇帝・劉備玄徳の名前を頂いて、初代も今の子(写真)も「玄徳」と名づけている。名前にふさわしい威厳のある顔であり、振る舞いである。

 今の玄徳は活発で、散歩で町に連れて出るのが楽しみだった。通りすがりの人に声をかけられると立ち止まり、相手の顔を大きな瞳で見つめる。その姿はみんなに好感をもたれたようだ。

 16歳の老犬となった彼は、足腰も弱り、視覚、聴覚、嗅覚も衰えて、往年の姿ではなくなっている。でもそうなればなっただけ、さらに愛おしさが増している。

 朝、目が覚めるとすぐに玄徳の安否を気にする。いずれは来るべきものが……と気に病んでいる今日このごろである。

 周囲の人たちの話では、愛犬が亡くなると自分の身内の死よりももっとつらくて、数カ月はうつになったということだ。物言わぬ相方には心を純にして接しているから、本当の愛情が生まれていたのだろう。

 私ども夫婦が先に逝ってしまわないようにと思っているが、我々も後期高齢者。いつどうなるか不安でもある。家内は恐らく心中でもしたいくらいであろうが、その心境は十分理解できる。孫がいないだけに、愛情を注ぐ相手は玄徳である。

 あの世でも人生があり犬生もあるなら、また永遠に共に暮らしたい。

(残念なことに、投稿後、玄徳はあの世に旅立った)

(長沢潮さん 鳥取県/78歳/無職)

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(更新 2017/3/30 )


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