第1028回 犬嫌いを直してくれたラッキー |AERA dot. (アエラドット)

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第1028回 犬嫌いを直してくれたラッキー

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 私は元来、犬嫌いである。犬を見かけると、いつも2、3メートル離れたところを通って歩いた。

 私が小学生の頃である。突然の雨で学校名の入った唐傘を借り、返そうと庭に干した。親戚の犬が庭で遊んでいたが、別段気にもとめず遊びに行った。

 留守中、真新しい傘の油のにおいが犬の気に入ったのか、帰ってみると傘はボロボロで、私はどうしていいかわからず一日中泣いた。

 その後、教員になり、家庭訪問に行ったときのこと。ハムスター、鈴虫、猫、ヘビ、犬──各家庭でさまざまな生き物を飼っていた。

 「可愛いから抱いてみて」と言われた室内犬。恐る恐る抱いたのがいけなかった。普段かいだことのない犬のにおいが鼻をついた。帰ると、首の周りにたくさんの湿疹ができていて、翌日、医者に行くことになった。

 そんな私だったが、還暦を過ぎた頃、次男が突然、犬を買ってきた。生後半年のシェルティー、女の子である。細面の美人であった。

 夫も私も面倒は見ない約束であったが、結局、仕事に行く次男に代わり、生まれて初めて犬の世話をすることになった。

 サークルから出すと、目を離したすきにおしっこをさっとする。「だめ」と言ってもまたする。犬は片足を上げてするものとばかり思っていたが、女の子は足を上げないのだ。

 畳の上に何回か歯が落ちていた。驚いて医者に連れて行くと、人と同じで永久歯に生えかわるそうだ。初めて知ることばかりである。

 避妊手術を受けさせ、迎えに行ったときはとても弱って見え、ひどく心配した。早く帰ろう……。3日目ぐらいから歩きだし、みんなを安心させた。

 あれから2年が過ぎた。2歳のラッキー(写真)を大事な家族として、においさえもいとおしいと思えるようになった私である。

(小林トシ子さん 栃木県/62歳/主婦)

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(更新 2013/5/30 )


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