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第40回 イラッをネタにして楽しむ文・大谷由里子 |

年が離れた人とのコミュニケーションなどでうまく行かないときは、“10年前にあったもの、なかったもの”を思い出してみる。
すると、「しゃあないなあ」「わたしが、もっと気を使うべきだった」と、意外と謙虚になれる。
「こんなことくらいわかるはず」と、思うからイラッとしたり、腹が立つ。
年下の人とのコミュニケーションにイラッとするくらいなら、
「このジェネレーションギャップ、ネタにして笑いにするぞ」
「同年代や年上の人との飲み会で使えるかも」
と、楽しむことにしている。
その中で最近あった話。
小学校の先生が、DVDを見ているときに生徒に、
「今のシーン、巻き戻して」
と、言ったところ、
「巻き戻し……?」
と、キョトンとされた。
DVDになってから、リモコンが「巻き戻し」ではなく「早戻し」になっていることを知った。
「いつまでもビデオ世代の言葉使ってたらダメだよ」
と、先生は笑っていた。
ある建設会社での話。
「緊急連絡しなければならない時があるから電話番号を教えてくれ」
と、新入社員に40代の上司が言った。
「電話番号なんて使わないですよ」
と、新入社員からの返事。
「どういうこと?」
と疑問に思った40代上司が理由を尋ねてみると、
「LINEの無料通話を使っているから」
とのこと。
LINEは、コミュニケーションのアプリになるだけでなく、通話機能もある。
だから、電話番号なんて必要なかったのだ。
(更新 2015/11/24 )

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プロフィール
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大谷由里子(おおたに・ゆりこ) 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。 |