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「『グレンラガン』デー」で嬉しい再会

文・中島かずき

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 京都国際マンガミュージアムという博物館で現在「ガイナックス流アニメ作法」という特集展示が行われています。
 ガイナックスというアニメスタジオが、どういう風にアニメ制作に取り組んでいるか、その過去から現在を展示しているのですが、その一環として、先日、「まるごと『グレンラガン』デー」というイベントが行われました。
『グレンラガン』制作時のドキュメント映画と劇場版アニメ『紅蓮篇』『螺巖篇』の3本を連続上映し、間に声優の井上麻里奈さんと僕のトークを行うというイベントです。
『グレンラガン』ももう五年前の作品になります。午前11時から午後7時まで丸一日な上に、200人以上入る会場だということで、お客さんがどのくらい集まるのか不安だったのですが、朝の8時か9時くらいにはもう整理券がなくなったとのことで、驚きました。
 この流行りすたりの早いアニメの世界で、五年経ってもまだ熱心なファンがいるというのは有難いことです。

 京都に早めについたので、会場である京都国際マンガミュージアムを案内してもらいましたが、いいところでしたね。
 博物館ですので入館料はとられるのですが、館内に置いてあるコミックスは自由に読めるようになっています。
 日曜の午後ということもあって、結構人が来ていました。
 なにより建物がいい。
 以前は小学校だった建物を改装して利用しているのですが、玄関、階段、廊下、各部屋など、学校だった時のおもむきが至る所に残っている。
 板張りの廊下がギシギシ鳴る中、壁にずらりと並んでいるコミックスの中から好きな物を選んで読める。
 元校庭の中庭には芝生が敷き詰められているので、天気のいい日はここに寝そべってマンガが読めたりもする。
 夢のような空間です。
 これが自宅の近くにあったら、通い詰めたかもしれません。もし小学生の頃の自分がここに来たら、しばらく家には帰らないでしょうね。そのくらい懐かしく心地いい場所でした。学校の雰囲気を残しながらマンガでいっぱいというのがいいのかもしれません。
 控え室代わりに使わせていただいた館長室は、もとは多分校長室か何かだったのでしょう。ここで久しぶりに井上麻里奈さんと会いました。
 彼女は『紅蓮篇』と『螺巖篇』の間にトークをするので、僕とは2時間ほど時間差があったのですが、僕が早く到着したので会えたのです。
 テレビ放映当時『グレンラガン』の裏番組に『プリキュア』があったために視聴率では苦しんでいたのですが(実際に『プリキュア』が放映休止だった週だけは視聴率が2%ほど上がったのです。その週が結局シリーズの最高視聴率でした)、その彼女が今は『プリキュア』のメインキャラクターを演じているというのにも、時間の流れを感じます。
 それでも、ヨーコという役、『グレンラガン』という作品に関しては愛情を持ち続けてくれているようで、控え室に戻ってきても「まだ語り足りない」と言っていました。嬉しいことですね。

 僕のトークはすべての上映が終わったあとの18時30分から。お客さんも朝からずっとすわりっぱなしで疲れていると思うのですが、Q&Aのコーナーでは昔と変わらない勢いで相次いで質問が出て、「やっぱりグレンラガンのファンは熱いなあ」と感じられました。ただ、質問の内容も五年前と同じ物が結構あって、「ああ、お客さんが気になる所は時間が経っても変わらないものなんだなあ」という思いにもなりました。
『グレンラガン』のことを公で語るのは本当に久しぶりだったのですが、実に楽しいイベントでした。


(更新 2012/9/27 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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