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文化系のための甲子園、「高校生クイズ」の楽しみ方

文・中島かずき

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 毎年、高校生クイズを楽しみにしています。
 今年は30周年だったとか。
 確かに、この番組、自分が就職してから始まりました。それが悔しかった。
 高校生の時なら、一も二もなく参加したはずです。
 クイズの甲子園なんて、素晴らしすぎる。

 僕の高校時代は、どうしても体育会系のイベントの方が主流だった。運動が苦手だった自分にとってはどうにも肩身が狭い。もちろん演劇部の大会はありましたが、それはそれとして、こういう文化系というか知識で勝負することに燃える高校生活を送りたかったのですね。
 でも、もはや自分にはどうしようもない。
 せめて、自分の子ども達が参加しないかと、小さい頃からさんざん煽ったのですが、残念ながら父の野望を受け継いではくれませんでした。
 仕方がないので、テレビで観るのを楽しみにしています。
 
 でも、最近の高校生クイズは、随分と知力というか学力偏重になってますね。
 昔は、知力体力時の運って感じで、決して頭脳だけでは上に上がっていけない雰囲気もあったのですが、去年や今年の出題を見ていると、もう、東大生の正解率1%みたいな問題を、高校生チームがガンガン解いている。
「あんたら、どこまで頭がいいんだ」と、こちらはボンヤリ見ているしかないシーンも多々ある。

 うちの娘なんかは、それが不満みたいですね。
 昔は、○×の二択の質問で、○の列車と×の列車が用意されてて、正しいと思った方に乗る。で、間違った方が強制送還される敗者専用列車になったりとか、そういう大がかりな仕掛けのものもありました。
 それが、ここのところスタジオ内で、かなり難しい問題を解くという形式になっている。
 これだと本当に知識があるチームしか勝てない。頭がいいチームしか勝てない。
 娘にしてみれば、東大や京大への進学率が高い学校ばかりがクローズアップされるのはどうよ、という気持ちにもなるらしい。

 確かにそうかもしれません。
 でも、僕はそれはそれでいいんじゃないかとも思います。
 このご時世です。大がかりな仕掛けは、予算の関係で難しいのかもしれません。
(ひょっとしたら、地区大会ではまだ行われているのかもしれませんが。そこまでは観てないので)
 
 世界と比べて日本の学力低下が問題視されている中、今、日本にはこれだけ優秀な知力を持った高校生がいるというのを、全国に知らしめるのも、悪くないんじゃないでしょうか。
 
 ただ、今年はさすがに、開成高校の田村君プッシュが激しかった気はしますが。
 まあ、去年、準決勝で敗退し、今年リベンジに来て、見事優勝したのですから、番組的には彼を推した方が盛り上がるのでしょうが。

 僕としては、準々決勝での、福岡の地元である久留米附設と開成の戦い。追い込まれながらも同点まで追いついた久留米附設の折れない心に、一番興奮しました。
 ちょっとイケメンの田村君に対し、無骨な九州男児の意地を見せつけた久留米附設のメンバーにエールを送りたいと思います。


(更新 2010/9/16 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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