アクセルから竜に戻れない!?大人の事情でお蔵入りの『仮面ライダーW』 (1/2) |AERA dot. (アエラドット)

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アクセルから竜に戻れない!?大人の事情でお蔵入りの『仮面ライダーW』

文・中島かずき

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 5/2と5/9の二回に亘って、僕がシナリオを書いた『仮面ライダーW』が放送されました。
 念願の『仮面ライダー』です。
 今まで『ウルトラマンマックス』でウルトラシリーズの、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』で戦隊シリーズのシナリオを書かせてもらったのですが、こうなると仮面ライダーシリーズも是非とも参加したかった。なにせ、日本一のオタク劇作家を目指す身ですからね。『ウルトラ』、『戦隊』、『ライダー』と、昭和から続く特撮テレビシリーズのどれもに関われたというのは嬉しい限りです。

 声をかけてくれたのは、東映の塚田英明プロデューサーです。
 彼とは雑誌の対談が縁で知り合いました。僕が、彼がプロデュースした『特捜戦隊デカレンジャー』のファンで、それを新感線のパンフレットに書いたところ、演劇ライター兼特撮雑誌のライターをしている方がそれを見て、特撮雑誌で対談をセッティングしてくれたのです。
『デカレンジャー』は子供番組ながら過去の刑事ドラマへのオマージュもあり、非常に面白かったのですね。自分にもシナリオを書かせてくれと直訴したのですが、スケジュールの関係で間に合わなかったのです。ただ、それが縁で、彼の次のプロデュース作品、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』で声をかけてくれたのです。
「次は『ライダー』も是非」とお願いしていたところ、「いよいよやることになりました」と連絡を受けたのが『仮面ライダーW』でした。

 最初に企画書を見せてもらった時は「刑事の次は探偵か」と、ちょっと呆れました。そんなに趣味性強くていいのか、と。でも、そんなことを言ったら新感線なんか趣味の固まりですからね。やっぱり自分が面白いと信じられるものをやるのが一番です。独りよがりにならなければ、その気持ちは必ずお客さんにも通じるはずです。

 実際に、『W』は初期のシナリオの段階から、面白かった。
 三条陸さんという力のある書き手とシナリオにこだわる塚田さんのコンビが力を発揮していました。
 仕事の都合上、シナリオが書けるのは今年の二月頃だというのは、前からわかっていました。単発のゲストライターなので、本当はドラマが動き出す前の前半で書けた方が気が楽だったのですが仕方がない。シリーズも後半戦での参加になりました。
 
 さて、どんな話を書くか。
 放送が始まる前に企画書を見せてもらった時からずっと、頭の端っこでアイディアを考えていたのですが、結局打合せの日まで具体的なものはありませんでした。
 まあ、過去の経験から、打合せの席で話をしながらひらめくことが多いので、なんとかなるだろうと思ってはいたのですが。
 馬鹿話をしながらまず思いついたのは、二号ライダーが主役の話でした。


(更新 2010/5/13 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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