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旅行と落語は相性がいい

文・中島かずき

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 もう1月も中旬です。正月と言うのもはばかられる時期になりました。
 去年の年末、『薔薇とサムライ』の追い込みで燃えつきてしまったのか、虚脱状態で新年を迎えてからここまで、まだなんとなく気合いが入りません。
 今月中にやらなければならない仕事があるし、来月は来月で一本、待望の仕事が待っているので、もうそろそろのんびりムードは払拭しなければならないのですが。

 本来なら年末の休みの間に片付けておきたかった本の整理などがあったのですが、去年の後半の無理がたたったのでしょう。二日ほど目眩で寝込んでいました。
 ぐるぐる目が回り、無理に動こうとすると吐き気がしてしまうので寝てないと仕方がないのです。
 そのあと飛行機で帰省する予定だったので、このまま続くとまずいなあと思っていましたが、なんとか帰省の前日にはおさまってくれました。
 ただ、普段のように移動中に読書するのはちょっと怖い。細かい字を見ていてまた目眩を起こすのはいやです。かといって、長い移動時間をボンヤリと過ごすのも時間がもったいない。

 ちょうどいい機会なので、かねてから考えていたことを実行することにしました。
 以前からいくつか落語のCDを買ってあったのですが、さすがに仕事中には聞けない。これらをiPodに入れて移動中に消化しようと思っていたのです。

  毎年夏の休暇で海外旅行に出かけています。この四年ほどはずっとヨーロッパです。
この年齢になると、ヨーロッパの小さな町のようなところが落ち着いていて心地いいのですね。
 ただ、どうしてもバスでの移動が中心になる。
 一日に5?6時間はバスの車中ということもざらです。
 残念ながら僕は車に酔いやすいため、バスに乗っていると本が読めません。
 外の風景を眺めていればいいのですが、例えばドイツの高原の高速道路などを走っていると、放牧された牛と山並みが延々と続く。
 山、山山山、牛、山、牛牛、山、町、牛、牛、山、山山、山という感じで、確かにドイツがいっぱい牛を育てているのはわかったが、そろそろ俺はノイシュヴァンシュタイン城が見たいんだよと言いたくもなる。
 これが列車や飛行機ならパソコンで仕事も出来るのですが、どうにも移動時間がもったいなあと思っていました。まあ、旅行中くらいのんびりしてればいいのでしょうが、そう思えないところが性格です。何か"物語"に触れていたいのですね。
 去年、スイスから帰ってきてから「iPodに落語を入れて、それ聞けばいいんだ」と思い至りました。
 
 今回の帰省で、さっそくそれを試してみることにしました。
 古今亭志ん朝の長めの噺、『火焔太鼓』とか『居残り佐平次』とか4?50分くらいあるものもこれなら落ち着いて聞ける。なかなか快適でした。
 今年も夏には旅行しようと思っているので、ヨーロッパの片田舎をバスで行きながら、小さんとか志ん生とか聞くのも楽しみです。
 
 ヨーロッパと言えば、『のだめカンタービレ フィナーレ』が1/14の深夜からフジテレビで始まります。(ちょっと強引か)
 そのあと地方局でも随時オンエアする予定のようです。
 シリーズ構成をしましたので、よければご覧になって下さい。


(更新 2010/1/14 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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