漫画家の雷句誠氏が、原画を紛失した罪で小学館を訴えました。

雷句氏は2001年から07年末まで、「週刊少年サンデー」で『金色のガッシュ!!』というファンタジー漫画を連載していました。テレビアニメ化もされた、雑誌の柱とも言えるヒット作です。その原画が5枚なくなったというのです。

彼のブログに陳述書が掲載されています。それを読むと、単に原稿を紛失されたことだけに怒っているわけではないようです。連載中の担当編集者の態度に問題があり、ことを公にするために裁判に持ち込んだように思えます。

陳述書の中には歴代の担当編集者の実名が挙げられ、彼らの何人かの不穏当な行状が雷句氏に精神的苦痛を与えたことが述べられています。

先週まで、名伯楽としての漫画編集者の仕事について書いてきました。しかし、雷句氏のブログに出てくるのは、名伯楽どころか社会人としても問題あるような言動を行う編集者達です。今の漫画編集者は、ここまで質が落ちてしまったということなのでしょうか。

僕は劇作や漫画原作もやっていますが、今でも出版社の社員です。若い頃は週刊漫画誌の編集者として連載漫画を何本も担当したこともあります。ですので、どちらかといえば出版社サイドの立場が強いかも知れませんが、その立場から言わせてもらえば、にわかには信じがたいのです。

ヒット作を持つ作家に対しここまで横柄な態度をとる編集部というのは、業界の感覚で言えばちょっとあり得ないなあと感じます。

もちろんあり得ないことが起こったから雷句氏が怒っているのかもしれません。
ひょっとしたら不幸な行き違いが重なって雷句氏にも誤解があるのかもしれません。

そこは藪の中なのですが、今回一番印象的なのは、これが雷句氏のブログで発表されたことだと思うのです。

ああ、字数が足りない。あとちょっとだけ続きます。