【米ビルボード・ソング・チャート】モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」が通算3週目の1位、ドレイク新曲が2位に続く
【米ビルボード・ソング・チャート】モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」が通算3週目の1位、ドレイク新曲が2位に続く

 モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算3週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 2023年3月18日付で首位に到達した後、3週後の先週再び返り咲き、今週で通算3週目をマークした「ラスト・ナイト」。同曲は、モーガン・ウォレンにとってソング・チャート“Hot 100”で1位を獲得した初のタイトルで、この曲のヒットもあり、最新作『ワン・シング・アット・ア・タイム』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で初登場から6週目の首位を獲得した。

 「ラスト・ナイト」は、今週の集計期間中(2023年4月7日~4月13日)、ストリーミングが3,660万回(4%増加)、セールスが10,000(6%増加)、エアプレイが3,450万回(16%増加)にそれぞれ上昇。ストリーミング・ソング・チャートでは1位から2位にダウンしたが、デジタル・ソング・セールス・チャートは3位をキープ。エアプレイ・チャートでは21位から17位に順位を上げた。

 ジャンル別では、カントリー・エアプレイ・チャートで13位、ポップ・エアプレイ・チャートで20位、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで21位にそれぞれランクインしていて、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは今週27位にデビューした。

 カントリー・ソング・チャートでは初登場から10週連続で1位を獲得し、Hot 100との2冠を達成した。同じタイトルが両チャートを制したのは史上20曲目で、デュエットやフィーチャリングを除く男性ソロ・アーティストとしては、1981年にエディ・ラビットの「恋のレイニー・ナイト」が達成して以来約42年ぶり、カントリー・ソング・チャートとソング・チャート“Hot 100”で復数週首位を獲得したのは、前者が10週、後者が3週を記録した、テイラー・スウィフト「ウィ・アー・ネヴァー・エヴァー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」(2012年)以来、約11年ぶりの快挙となる。

 続いて今週2位にはドレイクの新曲「サーチ・アンド・レスキュー」がデビューして、2023年では初のTOP10入りを果たしている。

 「サーチ・アンド・レスキュー」は、初週ストリーミングが3,380万回、セールスが3,600、エアプレイが690万回をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは自身16曲目の1位を獲得した。なお、再生数は1位の「ラスト・ナイト」(3,660万回)より少ないが、ストリーミングの集計方法は定額制の有料サイトや広告付きのものなど、再生されたサービスによって比重が異なるため、順位が入れ替わることがある。

 Hot 100でのTOP10入りは通算68曲目で、2位以下と大きく差をつけてトップを独走している。

68曲 ドレイク
40曲 テイラー・スウィフト
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
32曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
29曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン

 TOP5入りは35曲目で、2位のザ・ビートルズ(29曲)を離し歴代1位をキープ。TOP40入りは通算174曲目で、こちらもテイラー・スウィフトの105曲を69曲も上回り、トップに立っている。Hot 100のランクイン総数は「サーチ・アンド・レスキュー」が通算294曲目で、207曲ランクインさせた『グリー』のキャストからさらに差をつけた。なお、TOP2のランクイン数は通算20曲目で、それぞれ23曲をもつザ・ビートルズとマライア・キャリーに続く2番目のアーティストとなる。

 「サーチ・アンド・レスキュー」は、その他R&B/ヒップホップ・ソング・チャートで27曲目、ラップ・ソング・チャートでは28曲目の首位を獲得した。

 タイトルに「サーチ(Search)」が含まれる曲では、1985年に最高4位をマークしたサバイバーの「サーチ・イズ・オーヴァー」を上回り、「レスキュー(Rescue)」が含まれる曲でも、1980年に最高3位を獲得したザ・ローリング・ストーンズの「エモーショナル・レスキュー」を上回りそれぞれ歴代最高位を更新した。

 3位は、マイリー・サイラスの「フラワーズ」が先週に続き同位をキープ。前週から9%減少したが、今週も9,350万回と高記録を維持して、エアプレイ・チャートでは9週目の首位を獲得した。

 シザの「キル・ビル」は先週の2位から4位にダウンしたが、R&Bソング・チャートでは通算17週目の首位を獲得している。なお、4月14日にドージャ・キャットが参加したリミックスをリリースしたため、次週(4月29日付)のチャートではポイントが上昇する可能性が高い。

 メトロ・ブーミンの「Creepin' with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」は先週の4位から5位にダウンし、レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」は7位から6位に上昇。アフロビーツ・ソング・チャートでは33週目の首位を獲得した。

 ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデの「ダイ・フォー・ユー」は5位から7位、ピンクパンサレス&アイス・スパイスの「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2」も6位から8位にそれぞれ順位を下げている。

 テイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」も先週の8位から9位にダウンしたが、今週でTOP10のランクイン総週を24週目に更新し、2014年~15年に同24週をマークした「シェイク・イット・オフ」と同率の自己最長記録を更新した。以下「ブランク・スペース」(17週)、「トラブル」(16週)、「ユー・ビロング・ウィズ・ミー」(16週)が続く。

 今週10位にランクインしたのは、米カリフォルニアで結成されたメキシコ人によるバンド=エスラボン・アーマードと、メキシコ人シンガーのペソ・プルマによるコラボレーション「Ella Baila Sola」。TikTokやその他SNSでのバイラル・ヒットにより、ストリーミングは前週から30%増加の2,440万回に跳ね上がり、今週最も伸びた曲に贈られるStreaming Gainerを獲得。ストリーミング・ソング・チャートでも6位から3位に上昇した。

 「Ella Baila Sola」は両者にとってHot 100でTOP10入りした初のタイトルで、メキシコの楽曲としても史上初のTOP10入りを果たした。なお、初めてHot 100入りしたメキシコの楽曲は2021年5月に最高60位をマークした、ゲラ・エムエックスとクリスチャン・ノダルによる「Botella Tras Botella」だった。また、リリース元のレーベルPrajin Parlay/DEL Recordsとしても、Hot 100では初のTOP10入りを果たした。

 純粋なメキシコの楽曲がTOP10入りするのは「Ella Baila Sola」が初だが、ラテン系の楽曲は過去に多数チャートインしたケースがあり、1980年代ではグロリア・エステファンがロス・ロボスの「La Bamba」を英語でヒットさせたり、1990年代にはエンリケ・イグレシアスやジェニファー・ロペス、リッキー・マーティン、マーク・アンソニーといったラテン系のスターが続々ブレイクし、英語とスペイン語による楽曲を上位にランクインさせている。また、2017年には主にスペイン語で歌われたルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」が通算16週の首位をマークし、大ヒットさせたのも記憶に新しい。

 ラテン系の楽曲としては、今年の1月にシャキーラ&ビザラップのコラボレーション・シングル「Shakira: Bzrp Music Sessions, Vol. 53」が9位、同じくシャキーラとカロルGによるコラボレーション「TQG」が3月に7位を獲得していて、「Ella Baila Sola」は3曲目のランクインとなる。なお、ペソ・プルマは、Yng Lvcasとコラボレーションした「La Bebe」も今週Hot 100の17位にランクインさせている。

 「Ella Baila Sola」は、ラテン・ソング・チャートで2週目の首位をマークしていて、同チャートではエスラボン・アーマード、ペソ・プルマいずれも初のNo.1タイトルを獲得した。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月21日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「サーチ・アンド・レスキュー」ドレイク
3位「フラワーズ」マイリー・サイラス
4位「キル・ビル」シザ
5位「Creepin'」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
6位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
7位「ダイ・フォー・ユー」ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデ
8位「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2」ピンクパンサレス&アイス・スパイス
9位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
10位「Ella Baila Sola」エスラボン・アーマード&ペソ・プルマ