今週のHot100は、TWICEの新曲「Candy Pop」が一気にトップへと上り詰めた(【表1】)。ポイントの内訳を見てみると、これがまたすごい。CDの実売数が30万枚を超え、ストリーミングでもダントツの1位となり、セールスポイントで大きく2位以下を引き離している(紫のグラフ)。また、ルックアップ(CDのPCでの読み取り数)や、動画再生数(赤のグラフ)も1位を獲得している。他にも、ツイッターのつぶやき数が3位(水色のグラフ)、ラジオのオンエア回数も4位(緑のグラフ)とどこを切り取ってもヒットしていることがよくわかり、文句なしの首位といっていいだろう。
TWICEの大ブレイクぶりはこの曲以外でも結果が出ている。Hot100を上位から辿っていくと、「TT」が8位、「LIKELY」が16位、「Heart Shaker」が25位と続き、なんと100位以内に10曲もチャートインしている。まさにこれは快挙といってもいいだろう。
数あるガールズグループのなかで、ここまで抜きん出ているのには、大きな特徴がある。それは、動画の活用の仕方だ。新曲「Candy Pop」の動画再生数が1位なのは先述の通りだが、週間再生数は約600万回と、週間再生数2位の「ダンシング・ヒーロー」のおよそ2倍だ。これまでの楽曲も軒並み動画再生数でポイントを大きく稼いできており、例えば8位の「TT」も他のポイントは下降しても動画再生数はキープしているのだ(【表2】)。
何度も繰り返し観たくなる仕掛けを取り入れ、真似したくなるダンスをクローズアップするなど、TWICEのミュージックビデオには工夫が凝らされている。一般的に自己満足に陥りがちのミュージックビデオだが、TWICEのように徹底的にエンターテインメントに徹する方が、話題性も上がり再生数を稼げてヒットにつながる可能性も高い。これはぜひ、他のアーティストにも参考にするべきではないだろうか。Text:栗本斉