名ヒットメイカーライアン・テダー率いるワンリパブリック、新たな魅力を発見できる約3年ぶりの新作『オー・マイ・マイ』(Album Review)
名ヒットメイカーライアン・テダー率いるワンリパブリック、新たな魅力を発見できる約3年ぶりの新作『オー・マイ・マイ』(Album Review)

 「アポロジャイズ」(2007年2位)、「グッド・ライフ」(2010年8位)、「カウンティング・スターズ」(2013年2位)など、ヒットを途切れさせず、不動の人気を得たワンリパブリック。2013年にリリースした3rdアルバム『ネイティヴ』から、3年半という長い月日が流れたが、2016年10月7日に待望の新作『オー・マイ・マイ』をようやく発売した。

 本作からは、5月にリリースした「ホエアエバー・アイ・ゴー」、そして8月にリリースした「キッズ」の2曲が先行シングルとして発売され、話題を呼んだ。本作は、コールドプレイあたりのUKロックを意識したような、オルタナティブ系のナンバーを中心に、ライアン・テダーの突き抜けるようなボーカルとマッチした、風通しの良いサウンドが光る、意欲作だ。

 プロデュースには、「アポロジャイズ」の生みの親、ブレント・カッツルや、「グッド・ライフ」、「カウンティング・スターズ」をヒットに導いた、ノエル・ザンカネラなど、これまでワンリパブリックの作品に携わった、おなじみのメンバーが参加している。タイトル曲には、フランスのエレクトロ・ユニット、カシアスがゲストとして参加し、「A.I.」にはUKのベテランロッカー、ピーター・ガブリエルが、「NbHD」には、パンクバンド、スティフドのボーカル、サンティゴールドが参加したりと、バラエティに富んだ面々がクレジットされている。

 これまで、メッセージ性の高いナンバーを世に送り出してきた彼らだが、本作はどちらかというと「陽」というイメージで、ポップな要素も満載。「アポロジャイズ」のような、じっくり聞き入るというような曲よりも、BGMとしても良さそうな、聞き心地の良いサウンドが詰まっている。3年半という長いブランクにより、音楽性が変わったと感じるかもしれないが、アルバムとしての完成度は高く、彼らの新たな魅力を発見できることは間違いないだろう。

Text:本家一成

◎リリース情報
『オー・マイ・マイ』
ワンリパブリック
2016/10/07 RELEASE
2,376円(plus tax)
https://goo.gl/t6Ya8N