全米オープンを制した大坂なおみ (c)朝日新聞社
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 大坂なおみが日本人初のグランドスラム制覇を果たした全米オープン。セリーナ・ウィリアムズとの決勝戦が行われた現地9月8日から数日が経過した今も、日本では史上初の快挙にまだまだ報道の熱が冷める気配はない。しかし、それは日本に限らず大坂が優勝を果たしたアメリカも同様だ。

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 実際のところアメリカでは、これまで23度グランドスラムを制覇している地元のスーパースター、セリーナ・ウィリアムズが決勝戦で見せた審判への“悪態”の方が大きく報じられている。11日には米メディア『CNN』のウェブサイトが、「栄光の瞬間をウィリアムズの(審判への)罵倒によって台無しにされた、ナオミ オオサカが一番の被害者だろう」と、勝者よりも敗者に注目が集まる現状を表現した。

 その一方で同サイトは、セリーナ・ウィリアムズを圧倒した大坂の決勝での素晴らしいパフォーマンスを振り返り、安倍晋三首相がツイッターで祝福したことなど、日本で一躍時の人となっているとも報じ、「栄光の瞬間こそ台無しにされたが、最後に笑うのは彼女だ」とその功績をたたえている。実際、大坂が試合以外でも“勝者”となるのは濃厚のようだ。

 大坂は今後、全米オープンの優勝賞金380万ドル(約4億2000万円)もさることながら、その他からも大きな収入を得るとみられている。豪州メディアの『news.com.au』が伝えたところによると、大坂とウェアのスポンサー契約を結んでいる『アディダス』は、その契約を延長する見込みで、なんとその額は米ドルで年間1000万ドル(約11億円)以上になるという。

 これは女子のテニスプレイヤーとしては、大坂が全米オープン決勝で下したセリーナ・ウィリアムズ、元世界女王のマリア・シャラポワに次ぐ、史上3番目の高額契約。1位のセリーナ・ウィリアムズが『ナイキ』と結んでいる契約の内容は公表されていないものの、経済誌『フォーブス』によると年間で推定1800万ドル(約20億円)、2位のシャラポワも『ナイキ』と年間1250万ドル(約13億9000万円)で契約したと伝えられている。

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