西日本豪雨で冠水した岡山県倉敷市真備町(c)朝日新聞社 
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台風ハザードマップ暴風版(筆保弘徳さん提供)>>東京・新宿区の台風ソラグラム
台風ハザードマップ暴風版(筆保弘徳さん提供)>>東京・新宿区の台風ソラグラム
横浜国立大学の研究を活用した「台風ソラグラム」は、全国約2,000ヵ所の地域ごとの台風による風の危険度がチェックできるサービスで、生活情報サイト『ライフレンジャー』で無料で閲覧できる。知りたい地域を選択しすると、台風がどこにあるときに警戒が必要か色分けされる。台風ソラグラムはこちら(スマートフォンのみ)
横浜国立大学の研究を活用した「台風ソラグラム」は、全国約2,000ヵ所の地域ごとの台風による風の危険度がチェックできるサービスで、生活情報サイト『ライフレンジャー』で無料で閲覧できる。知りたい地域を選択しすると、台風がどこにあるときに警戒が必要か色分けされる。台風ソラグラムはこちら(スマートフォンのみ)
大阪市中央区の台風ソラグラム(『ライフレンジャー』より)台風ソラグラムはこちら(スマートフォンのみ)
大阪市中央区の台風ソラグラム(『ライフレンジャー』より)台風ソラグラムはこちら(スマートフォンのみ)
筆保弘徳さん(撮影/金城珠代)
筆保弘徳さん(撮影/金城珠代)

 日本に2つの台風が接近している。特に台風20号は23日午後から24日にかけて西日本に接近・上陸する可能性が高いという予報だ。近年、北海道や東北地方の太平洋側などこれまで台風が滅多にやって来ないとされていた地域までもが被害を受けている。正しい台風対策や、どの情報を参考にどう対処すべきなのか。台風について研究する横浜国立大学の准教授、筆保弘徳さんに聞いた。

【図】新宿や大阪で風が強く吹く台風の位置は? 台風ハザードマップ、台風ソラグラムで確認

 自然災害と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。津波や地震と答える人が多いかもしれない。

「実は、日本は世界的に見ても台風大国なんです」

 筆保さんはそう指摘する。1年間に上陸する台風の数を比べると、世界で最も多いのは中国で年平均6.7個。日本は2位のフィリピン(4個)に次ぐ第3位(3.7個、ただし気象庁の定義とは異なり沖縄地方も上陸数として数える)なのだ。そして「日本の台風対策を変えた」とされるのが、高潮が発生して5千人以上の死者・行方不明者を出した伊勢湾台風(1959年)。その台風以降、気象研究所に台風研究部が設けられ、災害対策基本法ができ、治水施設や堤防の整備など国が防災に取り組むきっかけになった。

「特に富士山レーダーの新設は画期的で、雲の動きから500キロ先にある台風を予測できるようになりました。それから天気予報の精度は上がり、対策も進み、近年は1つの台風で死者・行方不明者が100人を超えるものはありません。ただし2000年代に入り、台風の被害が拡大していきました。まさに逆襲が始まったと私は考えています」(筆保さん)

 例えば、2004年には観測史上最多となる10個の台風が上陸、中でも台風23号による死者・行方不明者98人にのぼった。11年の台風12号は紀伊半島で数日間の総降水量2000ミリを超える大雨で98人が、13年は台風26号により大島で土砂災害が発生し43人、15年には台風17号・18号(関東東北豪雨)で14人が犠牲になっている。伊勢湾台風以降守らてきた死者・行方不明者100人を超える勢いです。一昨年は台風が滅多にやって来ないとされていた北海道に、8月の1カ月間で4つも襲来した。台風に慣れていない地域や台風の対策を取っていない地域で被害が拡大していると筆保さんは指摘する。

「もはや日本中どこでも台風が来ると想定したほうがいいでしょう」

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なぜゲリラ豪雨が起きやすくなったのか?