「雑誌を見てやってみましたという反響も届き、読者にとって大事なのは客観的な基準で小顔かどうかではなく、自分で自分に満足できるかどうか、憧れに少しでも近づけているかだと思います。誌面をつくるときは小学生でも読めるように平仮名を多くして、難しい言葉は使わないようにしていますが、それ以外はあえて大人のファッション誌と変わらない作りにしています」(長谷編集長)

 子ども向けのメイク道具がおもちゃコーナーにも置かれるようになったが、人気のコスメは500円前後の比較的安価なブランドが中心だという。しかし「3CE(スリーシーイー)」や「ETUDE HOUSE(エチュードハウス)」など人気の韓国コスメで2000円前後のチークやリップを一点投入したり、親と共有して使う子もいるという。いずれにしても、親の理解と援助がなくては始められないのが子どものメイクだろう。

 そしてもう一つ、彼女たちが雑誌に夢中になるのは“芸能界入りの登竜門”になっているからだ。読者参加型をコンセプトに掲げる同誌が一般の女の子から発掘し読者モデルとして育ててきた子たちの中には、芸能事務所に所属するケースも多く、全国各地で開催している撮影会には数百人規模の小学生たちが集まると長谷編集長は言う。

「撮影会に来る一般の女の子たちの多くは、モデルの先にアイドルや女優になりたいと考えています。かつて蛯原友里や押切もえ、木下優樹菜、もっと若い世代でも益若つばさやきゃりーぱみゅぱみゅなど、読者モデルから芸能界に入るという流れは定着しています。最近は小学生モデルたちにもカリスマ性が出てきて、大人のファッション誌と同様に、特定のモデルが着た服が売れるという現象も起きていて、芸能界への入り口という意味でオシャレや美容の裾野が小学生にも広がってきていると言えると思います」(長谷編集長)

 こうしたオシャレな小学生たちの情報源はいまや親などの身近な人や雑誌だけでなく、インターネットである場合も多い。実際にメイクの手順や道具を紹介する動画をアップする小学生ユーチューバーも多く、メイク動画を中心に小学生向けの美容コンテンツを配信するサイトも登場している。冒頭のAちゃん(7)も同世代の女の子が家族で配信する動画をチェックしていた。

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