――ジュニアグラビアアイドルになった後のことを教えてください。
ネット上に公開された私の写真を見た人から「ブスだ」「残念なロリ」などと無慈悲な評価をいただき、ブスであることを再認識させられました。初めて女として、商品として大人に値踏みされて、「女を売って生きていくことって甘くない」と知りました。
――余計に追い詰められてしまったんですね。
はい。このころからリストカットを繰り返すようになってしまいました。親に対して「こんな顔に産みやがって」とか、なにかネガティブな感情が生まれるたびに「死にたい」とつぶやきながら左腕を切り刻んでいました。ぶつけられないストレスや解消されない不安がたまるばかりで、自分を傷つけることでしか安心できなくなっていった。
――安心ですか……。
はい。自分でも異常だと気がついていましたが、やめられませんでした。私の場合は「仕返し」や「SOS信号」という意味合いもありました。傷痕を見せつけることで「お前たちのせいで私は病んでしまった」「もういっぱいいっぱいです。限界でーす」と信号を送っていたんです。だからあえて隠しませんでした。本当に死ぬつもりでそうした行為をする人もいますが、私は他人に傷痕を見せつけるためにやっていた。本当に未熟な考えです。
――話を聞いていると自ら追い込んでいるようにも聞こえます。
その通りです。ブスな顔のせいでいじめられたことはありません。自分で「ブスだブスだブスだ」と自分自身を追い込んで、「はやく本物になりたい」という強迫観念にとりつかれていました。
――本物とは?
私がイメージする理想の顔です。同級生やジュニアグラビアアイドルの子たちと接していても「みんなのほうがかわいい」「私のほうがブス」という考えばかりが頭に浮かんで、外見の序列ばかりを意識していたんです。自分の理想の顔を思い描いて、「はやくその顔になりたい」と強く願うようになっていきました。