愛媛県の中村時広知事は11日に開かれた定例会見で、10日に国会に参考人招致された柳瀬唯夫元首相秘書官の答弁について「(愛媛県の)職員は子供の使いじゃない」と批判した。
会見後には、2015年4月2日に官邸を訪問した県職員が受け取った柳瀬氏の名刺も公表。名刺には柳瀬氏の名前が入り、「27・4・-2」と面会日付の押印と、柳瀬氏の出身官庁である「(経産)」と手書きで書き込まれていた。
柳瀬氏の国会答弁と愛媛県の認識はどう違うのか。会見の全文を掲載する。
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──柳瀬の参考人招致について、職員の聞き取り結果は。
(中村知事。以下、質問の回答は同じ)
まず、証人喚問の話だけがクローズアップしてしまうと誤解を招きかねないので、前回とは違った角度で申し上げたいことが一つあって、そもそも獣医学部は、加戸前知事の時代から愛媛県が今治市の意向を受けてバックアップしてきた経緯がある。
その背景には、西日本に拠点がない、公務員獣医師の確保が難しいという点をカバーするためだったが、なぜ15回の構造改革特区が拒絶されてきたかというと、獣医師会の岩盤があったからにほかならない。既存の獣医学部、関東近辺に集中しているが、すべてが定員オーバーになっていて、対象となる教授陣をそろえて定員を上回る学生を確保している。そのオーバー分が既得権益になっている。ですから、なかなか岩盤が崩れない。
■「国家戦略特区を使ったら」と内閣府から助言
そういったなかで一時あきらめかけていたが、「国家戦略特区を使ったらどうか」という内閣府からの助言があって、そこから先どういう経緯があったかは分からないが、岩盤が切り開かれて、今日に、開学につながったということで、県は開学をおおいに歓迎している。
ただ、県も開学に伴って、今治市に平成11年の覚書に基づいた支援をする、これは税金を投入するということになるので、信頼が非常に大事で、透明性にはこだわってきたわけです。