「They are teams.」(チームプレーなんだね)
「Watch out! There are many soldiers here. If you use the camera, you will be killed.」(あと、そのあたりにいる連中はソルジャーだ。お前がカメラを出したら連中に殺されるからな!)
「Okay, I'll be careful.」(気をつけるよ)
路上で適当に声をかけてきた売人に適当に応じれば買えるということもあるだろう。だが、マリファナなど、アメリカ国内で使用の合法化が進むドラッグではなく、ヘロインのようなハードなドラッグを扱う場合、問われる罪も重いので、取り扱う業者の警戒心は強くなる。特に営利目的の販売でドラッグを扱う業者ともなれば、10年以上の罪に問われることもざらにあるのだ。そのため、コーナーマンのような見張り役は不可欠である。そして、ヒッターこと売人は、壁役・おとり役となるコーナーマンやソルジャーによって資産となる薬物を守るのである。彼らはあくまで末端の販売業者である。仕入れ先に売り上げを渡さなければ粛清される。まさに命がかかっているのだ。そういった相手に対して取材する側も相応のリスクと対応をもとめられるのは当然のことだろう。
このように販売側の配置からでもドラッグビジネスの一端を読み取ることができる。だが、ドラッグビジネスの闇はさらに深いものがある。次回もそのあたりをさらに掘り下げていこうと思う。
(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)