■パパがどこに衣類をしまうのかは、パパにしか分からない!を実現しよう

「じゃあしっかり個別管理できるように収納場所を変更していこう!」と思ったら1つ注意点があります。

 大切なのは「ここに下着、ここにシャツ、ここにズボン」などとママが全部場所を決めてはダメだということです。

 これは夫に限らず、子どももそうですが「人が決めたルール」は覚える気になれません。どれだけ素晴らしい仕訳方法をママが考えても、そのルールに興味や関心がなければいつの間にかルールが崩れていってしまうものです。

 では、どうするか。パパのスペースをしっかり確保したら、後の収納方法はパパが自分自身で決めることです。「このシャツはよく着るからハンガーにかけておきたい」「このトレーナー、実はあんまり着てないからもう捨てちゃおうかな」など自分で決めなくてはならなくなると、結構面白がりながら考えるものです。

 ここで「そのボロボロのズボン、まだ取っておくの?捨てちゃいなよ」みたいな余計な声がけは絶対にしないように。自分がパパから同じような声がけをされたら、どんなにイラッとするかを考えれば言っちゃいけない理由はわかりますよね。

「わが家はちゃんと人別にしてるのに、パパに自覚が芽生えない」とお嘆きのママに、いま一度チェックしてほしい点は2つです。

<1> ちゃんと人別になっているか?
<2> しまい方は本人が決めたか?

 家族の自立は作るのでも、うながすのでもなく、「家族みんなで育む」ものです。全てがママの思い通りになることも、家族の片付けレベルが急激にアップすることもそうそうないでしょう。

 でも、家族それぞれが自覚を持って取り組める環境を、一緒に作ることはとても有効です。
家族の自立に過度の期待をし過ぎるのではなく、家族みんなで育んでいくと言う気持ちを持ってわが家なりのペースで進めていきましょう。

(文/三木智有)

三木智有(みき・ともあり)/NPO法人tadaima!代表・家事シェア研究家・子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント。2011年に“ただいま!”と帰りたくなる家庭で溢れた社会の実現を目指し、家事シェアを広める活動を開始。元インテリアコーディネーターの経験を活かした、子育て家庭のモヨウ替えを年間100件以上行う

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