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 いつ仕事が無くなるかわからない……。そんな不安が常につきまとう特殊な世界で生きていくには強靭なメンタルが必要だろう。ストレスとどう向き合えばいいのか。キレ芸でもおなじみのカンニング竹山さんに教わった。

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 昔、いろんな先輩たちに「売れてないときよりも、売れるともっと悩みが深くなるぞ」って言われていました。確かにそうで、仕事がないときはそれがすごい悩みだと思っていたんですけど、仕事がもらえるようになると次はいつまで続くんだろうとか、いい仕事ができているんだろうかとか、ちょっと仕事が減ったかなとか、そういう新たな悩みになる。ずーっと、常に不安な世界なんですよね。

 それは現場で働きながら、慣れで乗り越えられると僕は思う。次の段階は「こんなもんよ!」って割り切ることが、ストレスかけずに体にいいことだと思いますよね。

 だからメンタルが強くないとか、叩かれると傷ついちゃうって人は芸能界に入らないほうがいい。アイドルを目指したけど心の病気になって辞めますっていう人がよくいるけど、元々の性格がこの世界に向いてなかっただけなんですよね。夢や憧れから入ってくるのはわかるけど、考え込んじゃう子には合わない世界だと思いますよね。

 タレントとファンの関係って実態がなくて、ただ心の約束で結びついているビジネス。最近ではめずらしいぐらいの実力社会で、仕事内容も決して平等じゃない。「何で俺に仕事くれないの?」って訴えたとしたら、「求められてないからだよ」って一言で終わってしまう特殊な世界です。僕らの世代は「おもんないねん」「お前たちなんか売れるか!」って、言葉でダメ出しされてきた。いまの時代はそこまで言う人はいないと思うけど、仲のいいタレントが2人いても、ある日を境に一方とだけしか付き合わなくなるとか、仕事をもらえなくなるっていうことが当たり前。そういうことの連続ですから。

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カンニングも経験した「ストレスが原因」で体に異変