もちろんです。TOEICで600点を取るのに必要な単語は、高校基礎レベルの単語と『金フレ』冒頭で紹介している600点レベルの基本ビジネス単語ですが、これだけの単語力があれば日常会話のやり取りは十分できますよ。さらに、その業界で使われる専門用語の知識があれば、ビジネス会話や会議だって対応可能です。

――語彙力の強化は、英語力のレベルアップにつながるのですね。

 TOEICについても同じことが言えます。もちろんより高いスコアを目指すためには正確なリスニング力なども必要になりますが、単語学習がスコアアップのために不可欠なのは、間違いありません。

――『金フレ』は幅広い層の学習者が使用しています。大学受験を経験した人でも、TOEIC対策用の単語集を使った学習は必要ですか?

 必要だと思います。受験で英語を勉強していても、agendaだとかmarketing、feedbackといったごく初歩的なビジネス用語の意味を知らないことがありますからね。知っている単語が学校で習ったのと違う意味合いで使われていて混乱する、というのもよくある話です。例えば、TOEICでaddressと言えば「住所」ではなく「演説」、あるいは「問題に対処する」「話しかける」といった意味の動詞でも頻出します。。

 こういった単語を効率よく網羅するならば、やはりTOEIC対策の単語集を使うのが一番でしょう。直近の出題傾向を正確につかむためには、今持っている単語集でも、最新版に買い替えるのがおすすめです。

――『金フレ』もそうですが、最近の単語集はCDやダウンロードの音声付録が付いているものが多いですね。

 単語学習ではリスニングや音読を通じて、正しい音を身に付ける作業が必須です。だってpreviouslyという単語の意味を知っていても、プレビオウスリーと読んでいたらリスニング問題では聞き取れないでしょう? 読んで、聞いて、自分で発音して、目、耳、口を同時に刺激することで、記憶も定着しやすくなる。単語を覚えるのが苦手という人は、単語集を「見ているだけ」の人が多いんですよ。