プレミアリーグで開幕戦から2試合連続のゴールをあげた岡崎も状態は良い。しかし、183cmのトレント・セインズバリーや187cmのデゲネクを背負いながらボールをおさめ、左右のFWに高い位置で前を向かせる役割は大迫が最も適任だ。純粋な実績や序列では新戦力の杉本は中央の3番手となるが、今季のJ1で14得点をあげるなど、187cmの高さは魅力。相手のディフェンスが間延びして来る時間帯でジョーカーとして投入される可能性は十分あるだろう。

 杉本は「ゴール前にどんどん入っていくように勝負しようと言われました」と語る。さらに、途中出場のイメージについては「去年からずっと最初から出ているので途中から出ることは少なかったですけど、ゴール前での仕事が重要になってきます」と強調する。

 オーストラリアのディフェンスに対しては「球際や相手のフィジカルに負けないことが重要になってくる」と語るが、最近のJリーグでは長身の割に瞬時の動き出しでスルーパスや前のスペースへの速いクロスを引き出すシーンも増えている。相手の屈強なディフェンスを破るにはそうした動き出しもカギになるはずだ。

 右サイドは本田と久保のどちらかがスタメン、浅野はジョーカーでの起用が想定しやすい。今季からメキシコリーグのパチューカに所属する本田は右ふくらはぎの違和感と高地適応のために現地デビューが遅れた。メンバー発表前日の23日に行われた第6節でようやく途中出場し、衝撃的な初ゴールを決めたが、翌節のティファナ戦と合わせても80分足らずしかプレーしていない。

 またパチューカではここまで中央のポジションで起用されており、右サイドで再び機能するには本田なりのアジャストが必要だろう。「あとは僕の問題ですよね。僕がそこをうまく微調整、最初の頭からピッチに立った時にできるかどうか」と本田。オーストラリア戦の具体的な対策については明言を避けたが「完璧なチームはいないわけで、そこを突く準備、イメージはもちろん頭の中にはあります」と自信をのぞかせた。

 本田の強みは流れの中でフィニッシャーにもパサーにもなれることである。また彼が高い位置でボールをキープすることで、中央の大迫が相手ディフェンスの裏を狙いやすくなる。左利きの右サイドに特有の左足のサイドチェンジによって、逆サイドの選手にチャンスメークさせられるなど、戦術的なバリエーションを付けやすい。

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