今、時代は人工知能(AI)の普及で大動乱の時代を迎えつつある。そんな中で、どんな人材が生き残っていけるのか? そのカギは「理系脳」にあるという。元マイクロソフト社長成毛眞が、著書『理系脳で考える』で明かした、「理系脳」と「文系脳」を見分ける簡単な方法とは?
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どんなスマートフォンを使っているかは、文系脳であるかそうでないかを測る格好の指標である。2017年5月中旬時点で、購入できるiPhoneの最新版は「iPhone7」である。すでにiPhone8や9の噂も出始めている。
それなのに、使っているのが「iPhone5」という人がいたならば、それは間違いなく文系脳だ。
理系脳は新しいものが好きで、それによる世の中や身の回りの変化が大好きだ。
新しいものといっても、近所にできたラーメン店とか、デビューしたてのアイドルグループのことではない。STEMと呼ばれる分野の話だ。STEMとは、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マスマティクス(数学)の頭文字。いわゆる科学技術のことだ。だからもしも、新しいラーメン店がサイエンスを駆使した、他に類を見ない出汁の取り方をしていたり、アイドルのライブに最新のテクノロジーが使われたりしていたら、それはSTEM的な新しいものといってもいいだろう。
STEM的な新しいものには、新しいサービスや製品も含まれる。スマホ、SNS、ドローン、セグウェイ、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、AI……とにかく新しいものは試さずにはいられないのが先天的理系脳だ。
私はかつて、新しい技術が搭載されたデジカメばかりを買っていたことがある。デジカメは毎年のように新商品が登場するが、そのすべては買わない。大抵がマイナーバージョンアップされた新商品だからだ。しかし時には、前のモデルにはなかったまったく新しい機能が追加されることがある。これは買いだ。買って使ってみると思ったほどではないこともあるのだが、まずはそれを試してみて、どうだったか自分なりの感想が持てることが大きい。