炎上した経験はおそらく一般の人より格段に多いだろう。カンニング竹山さんは炎上社会に何を思うのか。
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先日、ある男性アイドルの方のことで、僕の発言が意図していないように切り取られて、ネットメディアに出ているのですが、SNSでは「竹山がこう言った」とわーっとなった。番組全体を見ている人は勘違いだとわかってくれるはずなんですが、それから長い間「竹山嫌い」「見たくない」と言われ続けたんですよね。
そこで気づいたのは、若い子たちの間で炎上すると止める人がいないってこと。
僕はテレビに出るようになったころから、ネット上の掲示板でずっと叩かれてきた人間。これまでも炎上したことも結構ありました。東日本大震災直後に福島県を訪れたときや、原子力発電所の中に入ったときも、ツイッターでわーっとなって言葉の切り取りが始まった。でも、炎上中に「いやいや、竹山はちがいますよ」って人が出てきたんですよ。「これあんたが切り取っているでしょ、あんたの思想でしょう」、「竹山の全文はこれですよ」ってデータとか根拠を持ち出す人がいる。そうすると僕の知らないところでわんさか始まるわけですよ。僕とではなく、フォロワー同士が。
でも、相手が10代だと「ちょっと待って」と言い始める子がほとんどいなかった。
一緒に番組をやっている10代の女の子に聞くと、情報収集をするメディアがネットなんだそう。物心ついたときからネットメディアがあるから。僕らが10代のときはそんなツール無かったし、20代の人もそれほど無かったはずなんですよ。いま10代の子たちが20代、30代になったときに考えが変わるのか、複合的に情報収集していくことができるのか、「これあってるのかな?」ってちょっと調べたり疑問を持ったりすることができるのか、不安というか心配です。
それを逆手に取るちょっと賢いやつが出て来たら、すぐ操られちゃう。みんなをわーっと動かすことができて、暴動さえ起こすことも簡単になってくる。そうなると危険だなと思います。
ネットの存在によって、テレビも難しくなってきたなと思います。全体的にお利口さんのメディアになってきた。でも誰のせいってわけでもないと思うんですよね。視聴者も、我々タレントも、制作する側にも理由があったかもしれない。