それなりに収入はあり、ぜいたくをしているつもりもないのに、なぜお金が貯まらないのか。その理由と金持ち体質への改善方法を、『お金持ちはなぜ、靴をピカピカに磨くのか?』(朝日新聞出版)の著者である臼井由妃(うすい・ゆき)氏に寄稿してもらった。
* * *
「お金が貯まらない人」には、共通する特徴があります。
たとえば、1カ月の生活費を理解していない。お財布にいくら入っているのか意識したことがない。預貯金額や住宅ローンの残債を把握できていないなど、数字に弱いのも「お金が貯まらない人」の共通点です。
そんな自分の愚かさに気づき、経費が抑えられるからと携帯電話やインターネットのプランを変えて失敗したり、にわか仕込みの知識で節約を始めたもののすぐに挫折したり、資産を増やしたいからと安易に投資に手を出して失敗したり……。「お金が貯まらない人」は、自分の「マネーセンスのなさ」を、理解していない傾向もあります。
なかでも厄介なのは「節約をしているのに、お金が貯まらない」という人です。逆を言えばその「節約」こそが、「お金が貯まらない状況」を、作っているといえます。
これまで私はあまたの「節約貧乏」を見てきました。彼らが一様に口にするのは「こんなに節約しているのに、何でお金が貯まらないの?」という疑問です。
実は彼らは、家計管理に「三つの間違い」を犯していることに、気づいていないのです。
1.家計管理にとことん厳しい
おいしいものはダメ、趣味やおしゃれなんてご法度。お金を節約するために、人づきあいは極力避ける。手間や労力はかけても、お金を使わないなど。過度な厳しさを暮らしに課してしまうと耐えられず、やがて衝動買いに走ったり、仕事のチャンスや大切な人とのご縁を失うことになりかねません。