電子白板を使って英語を学ぶ(撮影/写真部・長谷川唯)
電子白板を使って英語を学ぶ(撮影/写真部・長谷川唯)
この記事の写真をすべて見る

 バイリンガル教育に特化した未就学児向け施設が増えている。幼い頃から英語環境に身を置くとどんな効果があるのか――。AERA English特別号『英語に強くなる小学校選び2017』で、バイリンガル幼児園を徹底取材。英検準2級に合格する園児もいるという幼児園を訪ねた。今回は特別にその一部を公開する。

*  *  *

 英語教育の低年齢化の波は、就学前の幼児にも押し寄せている。最近よく耳にするのが、「バイリンガル幼児園」「インターナショナル幼稚園」「プリスクール」などの名称で呼ばれる、保育・教育施設だ。より早期から英語教育を始めたいと考える保護者の増加を背景に、近年、人気を集めている。

 朝8時半すぎ。深緑とタータンチェック柄を組み合わせたデザインの通園バスが次々と、正面玄関前に到着する。

「Good Morning!」

 制服姿の子どもたちが元気に降りてきた。横浜市都筑区にあるバイリンガル幼児園「キッズデュオ インターナショナル(KDI)センター南」の朝の風景だ。2013年に開園し、2歳から6歳までの幼児が通う。東京都港区、鎌倉市、横浜市・みなとみらい地区など、遠方の幼児も送迎バスで登園してくる。 

 午前9時、ネイティブの先生による「朝の会」が始まった。年長の教室では、英語への切り替えのウオーミングアップを兼ねてビリー・ジョエルの曲を合唱。この日は、図形を使ったIQゲームも楽しんだ。先生と園児の会話はすべて英語。友達同士の会話も、自然と日本語から英語に変わっていた。

 KDIセンター南の定員は、年少々(年少の1学年下、2~3歳)72人、年少90人、年中90人、年長90人の計342人。各学年3クラスで編成する。園児のほとんどは日本人で、両親ともに日本語を話す家庭が大半だ。

 しかし一歩園に入れば、日本語による授業を除き、園児たちは英語のシャワーを一日じゅう浴び続ける。

次のページ