「大ヒットした要素のひとつとして夏にリリースしたことが挙げられます。『ポケモンGO』はユーザーが現実の世界で歩きながらポケモンを探しますが、夏はスマホ片手に出歩きやすく、行楽シーズンで長距離移動する機会も多い。ゲームの特性と季節がマッチしていたのです。しかし、数カ月後の冬の時期になったらゲームのために歩き回るユーザーがどれほどいるか……。コアなユーザーはまだしも、ライトユーザーは一気に離れてしまうでしょう」(前出のエンジニア)

 だが、ある程度のライト層が離れたとしても、残ったコアなプレーヤーたちが課金し続けていれば大きな利益を生み出す。それがスマホゲームの仕組みといえる。しかし、それでは困るのが「ポケモン観光」を打ち出して集客を当て込んでいた各自治体だ。

「知事自ら鳥取砂丘を『ポケモンGO解放区』として全国に呼びかけている鳥取県や、観光戦略課が調査アンケートを実施して本格的に取り組んでいる秋田県、ポケモンGO専門のプロジェクトチームを立ち上げた北九州市などの各自治体や各地の商店街などが、ポケモン人気を当て込んで観光客誘致に乗り出しています。すでに専用のガイドマップを配布したり、ポケモンが大量出現する有料アイテムを使った集客イベントを実施しているところもある。しかし、ライト層が離れてしまえば思ったような集客は見込めず、皮算用に終わってしまうでしょう」(経済誌のIT担当記者)

 ユーザーの減少は開発元も認識しているはずであり、今後アップデートによってライト層をつなぎとめる要素を組み込んでくる可能性もある。だがユーザーが離れてからでは遅く、早急なテコ入れが必要。それがブームの行方を左右するだけでなく、各自治体のポケモン観光の成否まで握ることになりそうだ。(ライター・別所たけし)

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