先週から、様々なメディアでギリシャの債務不履行(デフォルト)話題が紹介されていますが、どことなく遠い欧州のことだな、と思った方も多かったのではないでしょうか。ところが、週明けに日経平均株価が大幅下落したことで、なぜ?とにわかに関心が高まったと思います。
ギリシャの債務問題は、 2009年10月に発足したギリシャのパパンドレウ新政権が、旧政権下でこれまで公表されていた対GDP比の財政赤字3.7%が、実際には12.5%であると公表した(後に13.6%に修正)ことが発端となっています。国力が小さいギリシャでは財政立て直しを自力で行うことは不可能と考えられ、市場では過去にあったソブリンリスク(国家に対する信用リスク)も想起されました。さらに格付け機関はイタリア、スペイン、ポルトガルなどの南欧諸国も含めた国債格付けを続々と格下げし、ギリシャ国債に到っては投資不適格級にまで引き下げられました。
その後も、東欧、南欧など様々な国で財政赤字の修正が発表され、世界的なソブリンリスク回避の動きが高まりました。これにより、ようやくサブプライム問題から立ち直りかけていた欧州経済は、再び困難な状況になりました。
ちなみにこれらの問題国を称して、PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン各国の頭文字)と呼ばれ、ギリシャなどに投資していた海外投資家にとっては、この略称を見ると、苦い思い出が蘇ります。
ところで、なぜユーロ圏でこのような問題が発生したのでしょうか?