みなさんご存知の通り、日本代表にとってのブラジルワールドカップが、6月24日(日本時間6月25日)のコロンビア戦で終結した。ザッケローニ監督の采配や戦術にとやかく言うことはないが、現地アレナパンタナールで観戦していて気づいたことを紹介したい。
「日本はなぜシュートを打たないんだ」
そう語ってくれたのは日系ブラジル人の男性だ。しかし実際の日本のシュート数は23。コロンビアが13なので、倍近い数字を放っている。
「チャンスはあるしいいパス回しもしているのに、肝心のシュートがない。どうしてなの?」
ブラジル人の目から見ると、シュートを打っていないという印象を抱いたようだ。数字上はたくさんのシュートを打っているのにいったいなぜなのか。もちろん、チャンスでパスを選択してしまうシーンもあった。だけどそれ以上に、会場は圧倒的な数のコロンビアサポーターで占められているため、日本がシュートを放ったり、チャンスをむかえたりしても会場が沸かなかったということが理由に挙げられると思う。
今回は、歓声だけではなく、レシフェやナタールで聞こえてきた日本の太鼓の音が聞こえてくることもなかった。聞くところによると、サポーターの太鼓が没収されたとか。没収と言えば「なぜか僕はボールペンが没収されました」という日本人もいた。
さらに、レシフェやナタールでは、チケットに書かれた席の番号に関係なく空いていればどこにでも座れるような緩い管理だったが、今回は厳重なチェックがあった。そのため日本のサポーターが一カ所に集まって応援するということが難しく、それゆえ余計に目立たなくなってしまったのかも知れない。
「日本もいいサッカーしていたと思うよ。ただコロンビアが上だったということだよね」
かたや余裕の表情でそう語るコロンビア人は、数万人。一カ所に固まるどころか、会場中を埋め尽くしていた。彼らの声援はスタジアム全体に大きく反響していた。もしかすると日本はこのスタジアムの雰囲気に負けたのかもしれない。
ボリビアのサンタ・クルスから来た夫婦は言う。
「日本はボリビアよりずっと良いサッカーをしていたね。でもコロンビアが強かった。セミファイナル進出は固いんじゃないかな」
会場と相手が悪かった……。組み合わせが決まった時から言われていたように、日本は最初の2戦でグループリーグ突破を決めないといけなかったということだろう。