■外貨建ての投資信託で代替

「今や、外貨預金をするまでもなく、さまざまな外貨建ての金融商品を格安の手数料で気軽に買える時代です。

 コスト面で考えるなら、外国の株や債券に投資する為替ヘッジなしの投資信託を購入するのが一番。日本円を外貨に替えて投資しているので、外貨で資産を持っているのと似た効果が得られます」(同)

 リーズナブルに投資できる投資信託といえば、三菱UFJ国際投信の人気シリーズ「eMAXIS」と「eMAXIS Slim」が代表格だ。

 コスパの良さとシンプルでわかりやすい仕組みが受け、2019年12月末時点で純資産残高は5000億円を突破しているという。

 たとえばeMAXIS Slimシリーズの中の「米国株式(S&P500)」の場合、米国の主要な株をまとめて買ったのと同じ効果が得られる。販売手数料は0円、信託報酬という運用コストは年間0.088%(2020年3月18日現在)。通常銀行の外貨預金のコストとは、比べようもない。

 現在、米国株は日本株と同様に値下がり中だが、ここ数年は相場が過熱気味だったため「お得に買えるチャンス」という見方もある。(取材・文/安住拓哉、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERAMoney 今さら聞けない 貯金の基本』の記事に加筆・再構成

著者プロフィールを見る
安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

安住拓哉の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ