何げなく見ている博物館の展示標本にはドラマチックな歴史が隠れている。私は「江の島水族館」時代にこの標本を見たことがなく、とうの昔に廃棄されたと思っていた。思わぬ形で発見し、皆さんにも伝えたいと思い筆を走らせた次第である。ちなみにこの剥製は日本でまだ5例しかないウシマンボウの全身標本で、結構貴重だったりする。より詳しい情報は下記論文(和文)にまとめているので、ぜひこちらも併せて読んでほしい!

【主な参考文献】澤井悦郎・瀬能宏・竹嶋徹夫.2019.神奈川県立生命の星・地球博物館に展示されていたウシマンボウの剥製標本.神奈川県立博物館研究報告(自然科学),(48): 37-42.

●澤井悦郎(さわい・えつろう)/1985年生まれ。2019年度日本魚類学会論文賞受賞。著書に『マンボウのひみつ』(岩波ジュニア新書)、『マンボウは上を向いてねむるのか』(ポプラ社)。広島大学で博士号取得後も「マンボウなんでも博物館」というサークル名で個人的に同人活動・調査研究を継続中。Twitter(@manboumuseum)で情報発信・収集しつつ、なんとかマンボウ研究しながら生活できないかとファンサイト(https://fantia.jp/fanclubs/26407)で個人や企業からの支援を募っている。

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