大雨をもたらす梅雨も近づく。全国どこでも起こり得る未知のウイルスによる感染や経験則を超えた災害に、日ごろの備えに勝る防災策はない。そのことを、いま一度確認したい。(編集部・野村昌二)

●家庭でできる15の防災対策 ※防災アドバイザー・岡本裕紀子さん監修

(1)ハザードマップ
自宅や職場周辺の災害リスクや避難場所、避難経路などを確認。ハザードマップは市区町村役所などで入手できるほか、インターネットでも閲覧できる

(2)家族会議
災害発生後の対応を家族で定期的に話し合う。特に集合場所、連絡方法は必ず決めておく

(3)飲料水
1人1日3リットルを目安に備蓄する。ペットボトル入りの水を消費しながら新たに備蓄するローリングストック

(4)簡易トイレ
1人1日7回分(小5回、大2回)を目安に。車にも入れておけば平常時(渋滞時)にも役立つ

(5)モバイルバッテリー
スマホなどの通信機器は情報収集のみならず、災害後の安否確認など重要な役割を果たす

(6)食料
1週間分は備蓄しておきたい。最初の3日は冷蔵庫の食材を活用。次の3日は缶詰・乾物・レトルト食品で対応。残り1日はアルファ化米など、災害時用食品を準備する

(7)現金
キャッシュレス決済は便利だが、災害時には停電などの影響で利用できないことも。日ごろから現金を財布に入れておくことも防災対策となる

(8)服用している薬・お薬手帳
薬のパッケージをスマホで撮影し、その画像を保存しておくという方法もある

(9)ブルーシート
寝袋、浸水の抑制、生活用水確保など、災害時にマルチな用途がある

(10)懐中電灯
停電の備えになる。電池も一緒に。水入りペットボトルに懐中電灯の光を照射することで明かりが広がる

(11)ふろしき
マスク、まくら、エプロン、エコバッグ、ウエストポーチなど多様な用途がある

(12)カセットコンロ
被災後の食生活を支えるために火は必須

(13)各種日用品
携帯ラジオ、救急セット、ウェットティッシュ、生理用品など。非常用持ち出し袋にも入れておく

(14)家具の転倒防止
突っ張り棒などを活用。観音開きの扉がついた食器棚の場合、揺れで食器が一斉に飛び出ることが危険。ストッパーで扉が揺れて開かないよう対策を

(15)日常生活に防災の視点をプラス
背の低い家具を選ぶ。割れにくい木製やプラスチックの食器を使う。ガラスなどの踏み抜きを防止できるスリッパを購入などすれば自然に防災力が上がる

AERA 2020年4月27日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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