食事が炭水化物に偏りがちな場合、野菜や海藻類が取れるサラダやスープなどを一緒に食べるよう意識することが必要。ご飯は白米ではなく玄米や胚芽米にすることでビタミンB1も取ることができるという。
今後、外出自粛が長期化すれば、ストレスやイライラを感じる人も増えるだろう。岡田さんは、ストレスはビタミンCの消耗が多い人が感じやすいため、果物や野菜を意識して取ってほしいと呼びかける。
「ストレスがたまると、暴飲暴食になる方もいますが、バランスの整った食事を取ることがストレスに負けない体づくりにつながります。ストレスを感じる時こそ、主食、主菜、副菜をそろえたバランスの良い食事を心がけましょう」
今や多くの人が利用するスマートフォンは連絡手段としてだけでなく、ライトやラジオ、ホイッスルなどの代わりにもなる。ただ、スマホはバッテリーが切れれば元も子もない。岡本さんは、充電するモバイルバッテリーも備えてほしいと語る。
避難生活を余儀なくされた場合に備え、マスクや消毒用品、体温計といった衛生用品を今のうちに非常用持ち出し袋に入れるよう心掛けてほしいという。万一、新型コロナの感染が拡大する中での避難生活となる場合は、こう指摘する。
「自宅と比較して、災害リスクがより低い場所にある親戚や知人宅で避難生活を送る方法も検討しておくことが必要。また、日常的にアウトドアが趣味の人はテントなど、所有しているアウトドアグッズを活用して自宅敷地内などで避難生活を送ることも選択肢の一つになります。ポップアップ式の組み立てが容易にできるテントを準備しておくといいでしょう」
山村所長は、家族で一度、「在宅避難生活訓練」を試みてほしいと説く。
「休日の1日でいいので電気、ガス、水道、電話などを止めて暮らしてみる。そうすると、例えば、冷蔵庫は半日経つと食材の一部が傷み始めるので保冷剤を多めに準備すべきだと気がつく。経験して初めて身に迫り、災害への覚悟もできます」
岡本さんは言う。
「私たちは、災害とは常に背中合わせということを忘れてはいけない。災害が発生するまでにできる備えは山のようにあります。防災意識を継続して持ち続け、少しずつでもよいので着実に備えを積み上げていくことが大切。そうすることで自分自身を、家族を、地域を守ることができます」