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 先日、きゃりーぱみゅぱみゅさんや有名人が政治に関するツイートをして、反響を呼びました。結局、謝罪の文章をツイートし、反響を呼んだツイートは削除されることになりました。この対応により、波紋はさらに広がりました。

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 芸能人や有名人、YouTuberやインフルエンサーが、政治や政策について、個人的な意見を持つことや関心を持つことは悪いことではありません。

 むしろ、若年層の有名人が政治について正しく発信して、若い子たちが政治に関心を持つことは望ましいことです。そのためには、発信する情報の正否や影響力を考察する必要があります。

「影響力」と聞き、多くの人は視聴者や一般の人に対する影響を考えます。もちろん、有名人は一般の方々に対する影響力も非常に大きいです。しかしながら、表に出る人々が考えなければならないのは、「スポンサーに対する影響力」です。

 アメリカでは、ハリウッド俳優や有名な歌手が、支持する政党や政策について公に発言する文化があります。「セレブ」と呼ばれる有名人が、支持する政党のために応援演説やスピーチをしたり、寄付をすることも多くあります。同じことを日本で浸透させるのは難しいと思います。

 そもそも、日本では芸能人が公然と政治的な発言をする風習がありません。アメリカとは違った意味で、「芸能と政治は別」という認識です。文化人を除き、俳優や歌手やモデルやタレントなどの方々で政治色のついた芸能人は、CMやTV番組で起用するとプロパガンダと捉えられる可能性があるため、スポンサーから好まれないのです。

 YouTuberやインフルエンサーも、政治についての発言は慎重に行うべきです。個人の思想や言論の自由はありますが、公人は自身の発信の影響力も考えるべきなのです。スポンサーは、政治色のついたタレントよりも何の色もついていないタレントを好みます。商品やサービスのイメージにも影響するので、政治の問題だけでなくスキャンダルや炎上を避けたいのです。

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