──2021年度からはAOは「総合型選抜」に、推薦は「学校推薦型選抜」に衣替えされます。それらの受験を考えている人にアドバイスを。

倉橋:合格者の志望理由書はあまり見ない方がいいかもしれません。見栄えやテクニックを真似したくなりますが、学びたいという情熱や志が本物かどうかが一番問われます。

菅:受験以外のことに関心を向けることも大事だと思います。僕の高校は卒業論文があり、日本語でよいのですが、僕はあえて英語で書くことにしました。受験勉強と並行して大変でしたが、将来につながる経験になったと思います。

柳井:一般入試と併願すると、特に夏休みは夏季講習と同時にAOの書類を準備することになり、焦ります。でも、AOは「高校ではこれだけのことをやった」という自負があればなんとか乗り切れると思います。

慶應女子:受験生は大学が求める学生像に合わせようとしがちですが、私たちも大学を選ぶのだという対等な気持ちで臨む方が良い結果につながると思います。

江口:塾では、小手先の策に走ったり卑屈になったりしないようにアドバイスしています。そういう姿勢はすぐに見破られます。今後は一般入試でも志望理由書や活動報告書などAO的な要素が求められていきます。AO受験をするかしないかにかかわらず、自分と向き合い、何を目指し、なぜ大学に行くのかを考えるプロセスは、すべての高校生に経験してほしいです。

(構成/編集部・石臥薫子)

AERA 2020年5月25日号より抜粋