今では、10を超える保育園の園長先生や保育士養成学校の先生たちと強い信頼関係ができ、なくてはならない存在にまでなった。保育士が元気になる研修も企画中だ。

「どちらの仕事も初めは慣れない環境で大変でしたが、自分の強みを信じて、謙虚でいれば必ず乗り越えられるし、新たな生きがいもきっと見つかる」と、同世代の人にエールを送る。

 定年後の仕事は、高橋さんのように得意なこと、自分のやりたい仕事を中心に探すとうまくいくというのは、大江さんだ。

「会社のなかで、5年、何十年と一つの部門で仕事をしていれば、営業、経理、総務でも立派なプロです。商談をまとめる力や、プレゼン能力、計画的に物事を進める力など、誰もがスキルを持っているはずですが、自分自身では気がつかないことのほうが多い。定年男子の会などで話をするうちにヒントが見つかることもあるので、ひとりで考え込まないで」

 人生100年時代、明るい老後生活を送るためにも、お金と働き方をじっくり考えよう。(ライター・村田くみ)

週刊朝日  2020年5月29日号より抜粋

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