竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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栃木から高速バスで運ばれた新鮮な野菜が店頭に並びました
栃木から高速バスで運ばれた新鮮な野菜が店頭に並びました

「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】ローソン店頭が道の駅に!?

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 全国での休校要請が約3カ月前。この間に東京都の外出自粛要請、全国の緊急事態宣言、一部解除。生活やマチの様子が激変する中、加盟店の皆さんと共に感染防止を徹底し、営業を続けてきました。本当に最前線でお店を支えて頂いている加盟店の皆さんには感謝してもしきれません。

 今後も新型コロナウイルスから解放されるわけではなく、マスクをつけ、手洗いを徹底し、社会的距離を保つ暮らしをニューノーマルとして受け入れ、継続しなければなりません。今の生活スタイルが普通として私たちも商売を続けていく。その中で、マチに出てくる新たな課題に加盟店の皆さんと共に取り組み、貢献したいと考えています。

 先日、神奈川県の加盟店の皆さんに協力を頂き、栃木県の新鮮野菜を店頭で販売しました。これは地元の「道の駅」で販売していた野菜が、緊急事態宣言で行き場を失っているという相談がローソンにあったことが始まりでした。一方、お客様からも外出自粛の中で近くのローソンで日々の野菜を買いたい、というご意見を頂いていたので、物流は利用者が減少している高速バスにお願いし、GWの5月4~7日に販売しました。

 栃木の道の駅で販売予定であった新鮮野菜が高速バスでローソンに届く。今まで以上に生産者の方やバス会社さんとも新たなつながりを感じました。お客様からも栃木に行った気分と大好評。

 今マチが変わり、流通が変わり、出荷ができなくなった生産者の方が多くいると連日報道も目にします。この取り組みをきっかけに、加盟店の皆さんと一緒に、全国のローソンでもっと野菜を扱い、生産者の方にパワーを送れないか、そんなことも考え始めています。Withコロナといわれるニューノーマルの世の中、ニューなつながりにも挑戦していきたい。感染防止、そして、Stay United!!

AERA 2020年6月1日号