企画はSNSを通じて広がり親子20組の枠はあっという間に埋まった。参加者は当日、メロンの栽培方法やメロンの選び方などを教えてもらった後、Zoomを通じて畑を回り、収穫どきのメロンをひと玉ずつ見ていく。交流を深めたあとツアーの最後に参加者が、欲しいメロンを指名できる仕組みだ。

 世界遺産の野エリアにあるゲストハウス「WhyKumano Hostel&Cafe Bar(ワイクマノホテルアンドカフェバー)」(和歌山県那智勝浦町)は、ウェブ会議サービスによる「オンライン宿泊」を提供する。実際に次回泊まった時に使えるドリンク券付きで1泊千円。“宿泊者”数は300人を超えた。スタッフが熊野の観光地を紹介し、夜は宿泊者みんなでオンラインを通じて歓談する。オーナーの後呂孝哉さんは「熊野を訪れたかったというお客さんはもちろん、ペットがいて旅行が難しい夫婦や妊婦さん、障害を抱える人など、『なかなか旅行に行けないが、オンラインならば』と話すお客さんも多いのが発見でした」。

 意気投合し、再会を誓って“チェックアウト”する参加者も多い。「ドリンク券は、コロナが終わったら再開の乾杯をしましょう、という約束の印なんです」(後呂さん)

 画面越しではなく、実際に会って楽しめる日が待ち遠しい。
(本誌・永井貴子)

※週刊朝日オンライン限定記事

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