「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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航空自衛隊のアクロバット飛行を披露する「ブルーインパルス」が先月末、東京の空をさっそうと飛行しました。緊急事態宣言が明けて、どこかほっとした気持ちがありました。ですが、今も、そしてこれからも新型コロナウイルスと闘う大勢の医療従事者の方々がいらっしゃいます。こうした現場の方々に敬意と感謝の気持ちを伝えるために飛行が発案されたそうです。
あいにく直接見ることはできませんでしたが、病院の屋上や窓から空を見上げる皆さんの姿をテレビ越しに見て、グッときました。医療従事者だけでなく、実際に見た方、あるいは画面を通して見た方、私たち一人ひとりが元気をもらったような気がしました。
サプライズは続きます。ブルーインパルスが飛んだ3日後、今度は全国で一斉に花火の打ち上げがありました。
花火には歴史があります。江戸時代、大飢餓と疫病の流行で国勢が不安定になった時、当時の将軍、徳川吉宗が犠牲者の慰霊と悪病退散を祈り、隅田川で水神祭を行ったようです。これが隅田川花火大会のルーツだとか。
その隅田川花火大会もウイルス禍で中止が決定。各地の大会も中止になるなか、若手花火師の方たちが呼びかけ、163の花火事業者が集結し、先日の一斉打ち上げが実現。花火業界も大変厳しい状況なのに、そんな様子はおくびにも出さない、粋でいなせな心意気に勇気づけられました。
ブルーインパルスと花火を通して、人々の気持ちを元気にする活動の大切さを改めて感じています。ローソンはローソンチケットやHMV&BOOKS、ユナイテッド・シネマなどエンタメ事業にも力を入れています。手探りで不安定な生活でも、エンターテインメントの力でみんなの気持ちが上向きになるような取り組みができないか。力を合わせてウィズコロナの時代を乗り越えたいと思っています。
※AERA 2020年6月22日号