東京都知事選に出馬を表明したれいわ新選組の山本太郎代表。昨年7月の参院選では、「消費税廃止」「奨学金徳政令」など独自政策を掲げ“旋風”を巻き起こした。落選後もその歩みを止めず、自らの信念を突き通していた。行く着く先とは。
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山本太郎・れいわ新選組代表は落選後も、日本全国でれいわの看板政策である「消費税廃止」を訴え続ける一方、消費税の減税に賛同する国会議員たちとの交流を深めていた。
昨年8月には中谷一馬衆院議員(立憲)らと総勢8人で、世界で初めて消費税を廃止したマレーシアに視察に出かけた。中谷氏は当時の経緯をこう話す。
「仲間に勧められた山本さんの演説動画を見たら、消費税をゼロにした国としてマレーシアをあげていた。それで、消費税廃止後に経済がどうなったか研究したいと思ったんです。山本さんに連絡すると、すぐOKの返事をもらいました」
視察の日程は、1日5件の面会が入るハードなものだったという。
「山本さんとは同じホテルで、移動の車の中でも昼食のサンドイッチをほおばりながら、いろんな議論をしました。野党議員の間で相互理解が深まったと思っています」
昨年10月には勉強会「消費税減税研究会」を設立し、馬淵澄夫衆院議員とともに共同代表に就任。初回の会合には24人の現職国会議員と14人の元議員が参加した。馬淵氏が言う。
「山本さんは勉強熱心。ただ、参院議員時代の6年間のほとんどを一人で活動してきたので、国会で実際に政策を実現することに慣れていない部分もあったと思う。会の目的は消費税を恒久的に減税する仕組みを研究することですが、山本さんとしては、勉強会や議員連盟の作り方や運営方法も知りたかったのだと思う」
無所属で活動していた馬淵氏は6月3日、国民民主党に入党した。馬淵氏はこの時、山本氏から入党を後押しされたという。既存政党から距離を置いて活動する山本氏からすると、意外な行動だ。