「“時価”で優先的に配りますと言われて申し込んだところ、値段が相場の5倍もする。キャンセルをしようとしても、それはできない、と言われました。そもそも時価って、銀座のすし屋じゃあるまいし」
同様のクレームは「政府が斡旋(あっせん)したアルコールは、1リットル4500円と超々高額。普通は500ミリリットルで286円。こんな政府で大丈夫なのか」(京都・50代・一般内科)と、回答にも寄せられていた。
行定院長は最終的に発注をキャンセルできたというが、アベノマスクといい、今回の国の対応には首をかしげるばかりだ。
政府の対応の遅さや、議事録が作成されていなかった件などを指摘する声が目立った一方で、「よくやっている」という回答もあった。
■薬は効果不明 早期で可能性も
実際に感染者を診察したことがあると答えた医師は2割。前回のアンケートの倍近くになった。
そうなると聞きたいのが効果についてだ。現時点では新型コロナ治療薬は開発されていないが、抗エボラウイルス薬として作られたレムデシビルが、国内初の新型コロナ薬として承認された。抗インフルエンザウイルス薬のアビガン、吸入ステロイド薬のオルベスコなども、臨床研究・試験中だ。
感染者を診たと答えた医師のうち、レムデシビルを使ったことがあったのは6%、アビガンは31%。使用していないが61%だった。使わなかった理由には、「専門病院に転院」「専門医が代わって診察」「軽症」などが挙がっていた。
効果については、「ある」「ない」「分からない」で、意見が割れていたが、アビガンでは「軽症からの悪化は防いでくれる」という回答もあった。
新型コロナ感染者を受け入れていた獨協医科大学病院(栃木県壬生町)の呼吸器・アレルギー内科の武政聡浩准教授は、アビガンの使用経験がある。感触は、「早期に使うほど効果が上がる印象だった」という。
「アビガンは中国で軽症例によかったというデータも出ています。もっと初期感染のときにアビガンを使えるようだったら、有用性が出たと思います」