今回、本誌はインターネットを通じて「コロナ禍の子どもの安全」に関するアンケートをしたが、子どもの視力や学力への影響を心配する保護者も多くいた。
「勉学などの意欲低下が心配」(8歳の娘がいる50歳男性)
「視力や脳や感情など発達への影響が心配です」(5歳の息子がいる50歳女性)
神奈川県に住む女性(45)も小学3年の娘(8)の脳への影響の不安を口にする。
「休校中はとにかく一日中、ソファに寝っ転がりながらゲームをし、動画を見ています。しかも暗い部屋で。将来、視力の低下はもちろんですが、あれだけ画面を見ていると脳にどのような影響を与えるか不安」
子どものメディア接触と心身の発達に関わる調査・研究をするNPO法人「子どもとメディア」(福岡県)の代表理事、清川輝基(てるもと)さん(78)はこう警鐘を鳴らす。
「今後、子どもたちの心と体にどのような形で影響が出てくるか心配です」
清川さんたちの調査では、子どもたちは普段の休日、ウィークデーの3倍近くゲームをしたりネットを見たりしている。休校となった3月からの約3カ月間は、子どもたちにとって休日と同じだったが、違っていたのは基本的に外出できなかったこと。ゲームやネットの時間はさらに増え、ウィークデーに3時間近くネットを見ていた子どもは、普段の休日なら9時間程度だが、この3カ月間はそれ以上になっていたと指摘する。
「ネットへの依存で、視力や学力が低下し、疲れやすく自律神経のバランスが崩れることなどが分かっています。3月からの3カ月間が子どもの心身にどのような影響を与えたか、相当なケアが必要になるでしょう」(清川さん)
コロナで、まだ外出を自粛するという子どもたちも少なくない。ネット被害から子どもを守るにはどうすればいいか。
スマホには、不適切なサイトや動画へのアクセスを遮断するフィルタリングサービスや、保護者が子どもの端末を管理する機能のペアレンタルコントロールなどがある。だが、これらは万能ではない。清川さんは、親が一方的に決めるのでなく、まずは親子で使い方のルールを決めておくことが重要と話す。