須藤氏は山本氏と初対面した食事会での出来事を、こう振り返る。

「東京都港区赤坂の居酒屋の個室でした。もともと会に呼ばれていたわけではなく、中谷さんたちから『山本太郎さんと一緒にいるんですけど、顔を出しませんか』と連絡をもらい、向かったんです。着いた時にはもう会も終わる頃で、最後30分くらい顔を出させてもらった感じです」

 店を出て、山本氏と帰る方向が同じだったので少し言葉を交わしたという。

「酒を飲んでいたのであまり政治の話というよりか、山本さんは自分で党を立ち上げてすごい行動力ですねという話をして、尊敬していますと言ったら、山本さんからは『ありがとうございます』と言われました。謙虚な人ですし、腰の低い人だなと思いました」

 過去のやりとりはそれだけで、立憲に離党届けを出したのは、山本氏に相談したわけではなかったという。

「勝手に私が山本さんを応援したのであって、山本さんと連絡を取り合って行動したわけではないんです。逆に迷惑だったら困るなと思っていたんですが、山本さんから連絡をいただいて、『二人三脚でぜひお願いしたい』と言っていただいたので、喜んでということで応援させてもらってます」

 須藤氏が山本氏と並んでした街頭演説は、すでに10回ほどにもなる。

「1日に4回、街頭演説をやったこともあります。感染防止に配慮して握手はできないので、肘タッチをしています」

 都知事選後にはれいわ新選組に入るのかと、ズバリ聞くと、こんな答えが返ってきた。

「いや、それはないです。山本さんとは別にそういう話は何もしていないし、バックで誰かが動いているということも一切ないです。応援したいと一念で立ち上がってこういうふうになったということです」

 無所属から国民民主党入りした馬淵澄夫・元国交相も6月30日、山本氏の応援演説に立った。馬淵氏が報道陣に「立憲、国民、無所属も含めた国会議員40人以上が水面下で山本氏の応援をしている」と話したことが話題になっている。立憲のほかの若手も、須藤氏に続くのだろうか。

「辞める議員は他にいないです。さっき同期がやってきて、『私以外の同期が集まって、もっと党を風通し良くしていこうと議論をした。だから留まってくれ』と慰留されたくらいです。メシに連れてってくれた先輩議員もいました。みんな心配してくれて、いい仲間を持ったなと心から思います」

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「都知事選が終わってから、処分を受け止めたい」