それに対して春子は「弊社」と言わず「へ……」だけでプレゼンを敢行。セクハラの被害者・派遣女子が会社からつるしあげられたら、船上での商談をさっさとまとめ、水上バイクで現場に直行。彼女が詰問されている部屋の扉をチェーンソーでぶった斬って乗り込む。
なんでしょう、前シリーズもマグロの解体とかスカイダイビングとかやってたけれど、令和の今見ると春子のスーパーっぷりもすっかり「スカッとジャパン」化。行動が破天荒すぎて、うっかりしたらコントと紙一重だ。
そりゃ13年たてば、「くるくるパーマ」呼ばわりされてた社員・大泉洋の髪もソフトパーマくらいに巻きが減ってるし、もはや主役クラスになったせいか序盤あんまり出てきやしない。変わらなくて安心なのは、小泉孝太郎の貫禄の無さとヘラヘラ笑顔くらい。
しかしこのまま春子のスーパーハケンっぷりがどんどんエスカレートしていくならば、大泉洋のツッコミは欠かせない。だって大泉さんの持ちネタ「福山雅治のスター伝説」と「大前春子のスーパーハケン伝説」。ファンタジー度はどっこいどっこいだから。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2020年7月31日号