そうそう、その前の20日に慌てて、政府が東京を除外したことで生じる旅行のキャンセル料を補償する方針を発表した。
「朝日新聞デジタル」には、「Go Toキャンセル料、利用後に補償へ 批判受け一転」という記事が載った。朝日の記事は「批判受け一転」と書かれていたのでマシなほう。テレビでは「政府がキャンセル料を補償」という言葉ばかりが躍っていた。まるで政府がそうしてくれました、とでもいいたいみたいに。
おかしい。コロナが拡大している中、1兆7千億円もかけ「Go To」をむりくり決行し、問題があってキャンセル料を補わざるをえなくなっただけ。馬鹿なたくらみに、馬鹿な尻拭い。そういったことに血税をホイホイ使う政府、なぜ有り難がらなきゃならないの?
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2020年8月14日‐21日合併号