「ロモソズマブは、現時点では、骨折の危険性の高い場合と、投与中の薬の効果があらわれない場合などに対して使われます。1年間投与する場合でも、1年後からは、以前からある骨の吸収を抑制するビスホスホネートやデノスマブといった薬に切り替え、治療は続けます」(同)

 さまざまな種類がある骨粗鬆症の薬は、投与頻度が、毎日、週1回、月1回、半年に1回、年1回など幅広い。薬の作用の仕方も違うため、医師とよく相談しながら重症度やライフスタイルなどを考慮して薬を選択してもらうことが大切だ。

「近年登場した効果の高い薬ほど、不用意に休薬すると反動で急激に骨密度が低下する可能性もあるため、慎重に治療をおこなわなければなりません」(同)

 また、続発性骨粗鬆症という、他の病気が原因でなる骨粗鬆症の場合は、原因である病気の治療が先決だ。

 近年、注目されているのが、若い女性の骨粗鬆症。

「月経不順や無月経など、女性ホルモンのバランスが崩れた状態で発症するものです。女性ホルモンの補充治療をおこない、きちんと生理が戻れば、骨密度は改善していきます」

 そう話すのは、獨協医科大学産科婦人科特任教授で、もちづき女性クリニック理事長の望月善子医師だ。

「女性ホルモン補充療法とともに、きちんと食事療法、運動療法も並行しておこなって、将来の骨粗鬆症を予防することが主眼となります。順調な月経があれば、将来、妊娠・出産時の妊娠後骨粗鬆症や授乳期骨粗鬆症も防ぐことができます」

 女性にとって骨粗鬆症は、メタボリックシンドロームと同等かそれ以上に気をつけなくてはいけない病気だと望月医師は強調する。

「産婦人科は妊娠・出産が終わると関係がない診療科と思っている女性は意外と多いですが、生涯付き合える産婦人科のかかりつけ医をもつことは大切だと思います」(望月医師)

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