コロナ禍に対して、トランプ氏が当初あまりにも軽視し、米国の感染者数が世界最多になった。実はこの“失政”に対して、米国民の多くが見限ったのだ、と私が信頼している米国の事情通たちは指摘した。
トランプ氏の反デモクラシーや、黒人差別反対デモに対する冷たさでは、かつてトランプ氏を支持した人間たちの気持ちは揺らがなかったようだ。
ところで、民主党は8月19日に、副大統領候補として黒人女性のハリス上院議員を指名した。
バイデン候補は現在77歳。バイデン候補が当選すれば、2年くらいで大統領を辞め、ハリス氏を大統領にするのではないか、と誰もが予想している。
このことによって、バイデン候補の当選は決定的になるのではないかと私は予想していた。
ハリス氏指名前の米CNNテレビの調査では、トランプ氏が4ポイント差まで追い詰めていた。今後、米国民の支持はどう推移していくのだろうか。
※週刊朝日 2020年9月4日号
■田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数