薬は、クリニックで抗アレルギー薬の飲み薬と吸入薬を処方されました。

 こうして治療と生活を開始。1カ月後に再び検査をすると劇的に改善していました。呼気一酸化窒素測定検査の値は、正常値の10倍から2倍までに抑えられていました。とはいえ、まだ正常値よりも高い数値です。その後、数日、薬を飲み忘れたり、掃除をさぼったりすると明らかに呼吸の様子が怪しくなりました。普段の生活も油断せず、クリニックには今でも2カ月に1度のペースで通院しています。

■予備軍が増えている?エアコンの冷気やほこりに注意

「どの調子が悪くて……」「1年中、痰がのどにからむような不快感がある」「気圧の変化があるときにゼコゼコする」と訴える人が実は、周囲にたくさんいました。筆者のような大人のぜんそくが今、増えているのでしょうか?

「成人ぜんそく患者自体が急増しているわけではないですが、ぜんそくを含めたアレルギーによるせきの患者さんが増えているのは事実です。喘鳴(ぜんめい、呼吸時のゼーゼー、ヒューヒューという音)がしないアレルギー性のせきの患者さんをせきぜんそくと呼びます。ぜんそくの1歩手前の状況で、きちんと治療しなければその三分の一の方がぜんそくに移行するとも言われています」(小島医師)

 それには、現代社会の環境の影響もあるようです。

「アレルギーの原因は1つではありませんから何ともいえませんが、地球規模の環境が悪化していることもせきぜんそくの患者さんが増えている要因の1つでもあるでしょう。ただ近年、この猛暑によりエアコンを使用するため、エアコンによる冷気、ホコリ、カビにより、夏場にせきぜんそくの患者さんが急増している印象はあります」(同)。

■こんな症状がでてきたら受診を…

 のどや呼吸の不調といっても症状や程度はさまざま。受診の目安を知りたいところです。

「せきが2週間以上長引く、かぜでもないのに夜間・明け方を中心にせきが出る、慢性的に痰が多い、安静時は何でもないのに動くと息切れがする。これらの症状は呼吸器系の病気である可能性があります。ご高齢の方だと、単純に年齢のせいと思われがちですが、一度呼吸器内科を受診されることをおすすめします」(同)

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