マスクとぜんそくの薬はかかせない(撮影・児玉響子)
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大きな“アレルゲン”であった猫。この子は毎日、私と一緒に寝るのでマスクは欠かせません(撮影・児玉響子)

 ぜんそくは、子どもに多い病気だと思っていませんか。しかし筆者は昨年、46歳でぜんそくの診断を受けました。昨今、ぜんそくに限らず、アレルギーによるせきに悩まされる患者が増えているそうです。大人のぜんそくとその“予備軍”ついて、筆者の体験談と呼吸器内科の医師への取材から迫ります。

【写真】こんなにかわいいのに!アレルゲンだった飼い猫

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台風が近づくと呼吸ができない……!

 10年ほど前、35歳の秋のことでした。台風が近づいていた夜、のどが「ゼーゼー、ヒューヒュー」と言い出しました。姿勢を変えたり、ツボを押したりするものの、症状はどんどん悪化。わずかな呼吸しかできず、朝まで眠れないことがありました。

 呼吸は苦しいものの、熱はなく、関節が痛いわけでもない。風邪ではなさそうです。しかし、この呼吸困難……普通ではない。不安になり翌日、かかりつけの内科を受診しました。昼間はごく普通の呼吸だったため、そこでは原因がわからず、水状の鼻水や痰が出る風邪、アレルギー性鼻炎に効くという漢方薬と吸入薬を処方されて終わりました。

 その後、何となく症状は落ち着きましたが、以来、ときどき「ゼーゼー、ヒューヒュー」が起こりました。その都度、内科を受診。でも同じ薬を処方されるだけで原因が発覚するわけでもなく、「一体いつまでこの漢方薬と吸入薬を吸って過ごす日々が続くのだろう」ともんもんとしていました。

 症状は時々現れるだけで、毎日ではありません。そこで、症状が悪化した日をメモしてみると、雨予報の前日や台風が近づくときというのがわかってきました。とはいえ、素人としては「気圧のせいなのかなぁ」くらいしか推測できません。

■「ぜんそくじゃない? 検査した方がいいよ」

 症状が出ないときは“息苦しさ”などすっかり忘れているため、あっという間に10年ほど経ってしまいました。しかし46歳のとき、明け方、のどがゼーゼーヒューヒューするようになり、息苦しさで目が覚めてしまうことが続きました。それまでなんとなくごまかして過ごしてきたけれど、このとき、「症状が一段階上がったな」と自覚しました。

 そんなとき、偶然にも古くからの友人が大人になってからぜんそくが発覚したという話を聞きました。その友人に今までの経緯を話すと、こう言われました。

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